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Read Me : 青字の書名は、アマゾンのページへのリンクで、デフォルトでは同じページに開くようになっています(書影と紹介文は主にアマゾンに提供されているものから引用しています)。記載に誤りがある場合は、掲示板を通じてお知らせいただけると助かります。kindle版がある書籍には📲アイコンがついています。このページのデータ採取は2020年6月です。Wikiというのはブログと違って固定URLで随時更新することができるシステムです。新刊もちょくちょく追加しますのでブックマークしておいてください。ライセンスは CC BY SAです。このWikiについては日本語教師読本 Wikiについてをどうぞ。*下の検索は簡易検索なので漢字かひらがなか、などが一致してないとヒットしません。また、他のページも検索対象なので大きめのフリーキーワード(「ICT」とか「日本語教師」)だと厳しいです。(各ページのナビゲーションに関するもうちょっと詳しい説明は、このページの一番下にあります。)

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https://webjapanese.com/dokuhon/files/book_hosoku.png初級の教科書」ページについての補足

初級とは、ひらがな、カタカナの読み書き、あいさつ「私は**です」式の単文、動詞と形容詞の基本的な活用ぐらいまでが前半で、受身などのちょっと複雑な活用と単純な複文が初級後半ということになっている。初級総合教科書の想定する学習時間は200時間前後。中学生の英語の学習時間が350時間なので、それより若干少ない程度なので高校の受験英語ほどではないというところか。漢字は300前後。 日本語能力試験では、初級前半がN5、後半がN4。N3は初級がしっかり理解できていて使いこなせる「初級+」くらいということになっている。

ただ、これまでは初級を規定するのは日本語能力試験であり「みんなの日本語」だったが、eLearnigやオンライン授業で日本語学習を始める人も増えている。近い将来、Duolingoが日本語初級の枠組みを決めることになるかもしれない。

👉 日本語の教科書が使うレベルについて、詳しくは日本語の教材事情の日本語のレベルを参照してください。

概要 †

シェア 書名 初版 ページ数 多言語 音声 指導書 問題集 漢字 電書化 アプリ スライド 中級 価格 /1p
74.1 みん日 98(74) 496 13(13) CD/mp3 × × 5500円 11.0円
6.7 できる 11 547 5 CD × 7480円 13.6円
3.9 大地 08 386 4(10) CD/mp3 × × × × 6160円 15.9円
0.4 げんき 99 770 1 CD/mp3 × 7700円 10.0円
0.6 はじめよう 06 483 (4) CD/mp3 × × × × 5460円 11.3円
0.6 まるごと 13 1120 (8) mp3 × × × × 11660円 10.4円
0 NEJ 12 416 3 mp3 × × × × × 3800円 8.2円
0 これだけ 10 202 × × × × × × × × 2420円 11.9円
0 いろどり 20 918 2 mp3 × × × △(PDF) × × × 無料 0

👉 シェアは「2018年の日本語学校全調査(政府刊行物)」で調べたもの。詳細は日本語の教材事情を。日本国内の告示校で使われている「ざっくりとした」比率です。多言語の数字は文法説明などがあるものでカッコ内は語彙リストや指示文までのもの。「/ 1ページ」は1ページあたりの価格。ページ数や価格は分冊のものは合計です。△は本冊ではないけど一部されている、というような意味です。

総合教科書 1  †

日本語学校など週に数十時間、年間数百時間のコースで選ばれる総合教科書。学習時間は150~300時間。読書話聞がバランス良く進められ、基本的に日本語の試験に十分対応しているもの。

みんなの日本語 †


https://amzn.to/2U4dAFD

  • 初版:1998年(74年)
  • スリーエーネットワーク
  • 課:25課・25課
  • 想定学習時間:150・150時間
  • レベル:N5~N3
  • 漢字:536字(220+316)
  • 多言語化
    • 翻訳・文法解説:英語 中国語 韓国語 スペイン語 ポルトガル語 フランス語 タイ語 インドネシア語 ロシア語 ドイツ語 ベトナム語 イタリア語 ビルマ語
    • 語彙訳:ビルマ語 ネパール語 シンハラ語 中国語繁体字 アラビア語 ペルシア語 アルバニア語 アゼルバイジャン語 モンゴル語 ウズベク語 ベンガル語 セルビア語 クロアチア語
  • 価格:¥2,750 / ¥2,750
  • 備考:告示校以外でも教室授業で圧倒的シェア。Google でもYoutubeでも関連情報が大量に出てきます。 みんなの日本語 初級 I 第2版 本冊 |→ アマゾンのレビュー
    みんなの日本語 初級Ⅱ第2版 本冊 |→ アマゾンのレビュー

概要 †

歴史

1974年に当時の経済産業省系の組織から「日本語の基礎」として発売され、その後90年に「新日本語の基礎」となり、98年に「みんなの日本語」となった。元々は経産省が外国人の技術研修のために作った官製の教科書。「新日本語の基礎」までは教科書の舞台は工場だった。現在も国内の日本語学校で圧倒的シェア。

同じタイプの教科書として、より完成度が高いという評価の「日本語初歩」(国際交流基金)があったが、補助教材や教師用指導書、凡人社を中心とした販売網で拡大。急増する学習者に対応するため、外国語ができなくても教師用指導書があればなんとか教壇に立てる教師を促成栽培できる教科書として90年代にはシェアトップとなった。

👉 開発元のAOTSは、現在日本語関連の事業は減っているが、ビジネス日本語のeLearningサイトを運営している。現在はEPAのサポートなどが中心。教科書周辺はスリーエーが行う*1。

コンセプト

文法をあれこれ説明するというより「文型」として文法事項を文の典型的な形として覚えて使いこなしながら定着させて進める、という80年代から日本語教育では主流の教え方をベースにしている。教師がいて、教室で、日本語で教えるという前提の教科書。

基本的に、日本語で日本語を教え、学習しましょうという考え方の教科書で、教室である程度の時間的な拘束をして、教師が教える、ということが前提となっている。教師に外国語の知識は不要ということになっている。学習者だけで自習する教科書ではない。予習復習は副教材などで教師が配慮しないと期待できない。文法説明は多言語版があり語彙ノートも多数の言語に翻訳されているが、最初から学習者はひらがな、カタカナを学ぶ。中級版までは用意されている。

課ごとに、それぞれ「あいさつ」「これをください」など学習テーマがある。1課は7,8ページ。教科書自体に人間関係の設定があり、それぞれ名前や職業が決まっていて、最初に紹介される。自己紹介からはじまり、設定された社会の中で少しづつ複雑な表現が必要な状況になるという形。特に主人公は決まっていないが、会社員が中心で、大人(20~30代)同士の会話が多い。

  1. 学ぶ文型と典型的な例文の紹介
  2. 会話
  3. 文型の練習いろいろ
  4. 応用問題(音声を聞きながら)いろいろ

という構成。

2分冊で計50課を300時間で終えることになっている。教室での授業を前提としており、一般の日本語学校では日に4時間、週5日20時間程度なので、15週で終えることになる。教科書の説明の時間数で単純に計算すると1課6時間で45分授業なら8コマで、導入例でも5~7コマとされているが、モチベーションが高い学習者が多い日本語学校などでは、3,4コマでやるところも多い模様。課によりけりだが、学習者の母語が同じで、文法語彙の翻訳解説版を使いながら教師が媒介語で補足可能なら3コマでもできるのかも。ただもっと早くやって、その後じっくり定着させていくという方法もあるとのこと。使い方いろいろ。

圧倒的なシェア

「みん日(にち)」と呼ばれることが多い。民間の日本語学校をはじめ世界で圧倒的なシェアを持つ定番教科書。1974年の「日本語の基礎」→「新・日本語の基礎」→「みんなの日本語」とタイトルが変わったが40年以上シェアトップ。国内の日本語教師養成講座のデフォルトの教科書となっており、違う教科書を使う場合は「うちの養成講座では(みん日ではない)***を使って進めます」などと但し書きをしないといけない空気がある。

ただ、この圧倒的なシェアは、少なくとも週20コマペースで、モチベーションが高い学習者に対しては長年結果を出してきて勝ち取ったもの。良質校で初級をみん日をしっかりやった学習者に対する信頼感は高い。

多言語展開

教室授業では、圧倒的なシェアなので情報が多く教師間のノウハウの交換でも事実上の標準として扱われている。ネットでも100万件単位でヒットする。ユーザーコミュニティが圧倒的なのが強み。教師用マニュアルの完成度が高く、関連教材が豊富。セットで買えば、他にあれこれ買う必要がない。文法解説本の翻訳版(英、仏、独、西、伊、露、ポルトガル、韓、中、タイ、インドネシア語、ベトナム語、イタリア語)が充実してるのも大きなアドバンテージ。語彙だけならさらに多言語に対応。

副教材など

教科書、ドリル、読解、聴解、漢字練習帳、音声ファイル、動画、教師用指導書と、標準的なシラバスでクラス運営ができるだけの補助教材が揃っている。しかし、すべて揃えると高く、小さな教室では大きな出費となり、他のワークブック的なものまで手が出ない可能性がある。他にもネット上にもいろいろと教師が作った教案や授業動画などがある。ショッピングモールの書店の本屋でもこれらの副教材まで揃ってることが多く、書店が減る中、実際にどんな教材なのか確認できるのが強み。

👉 音声は本冊についているのは一部(会話例と問題で音声が設問にからんでいるところ)だけでその他の音声(語彙、文型、例文、練習問題など)は、別売りのCDで提供。これが1と2が各8000円で合計16000円というのは、全日本語教材の中で突出して高い。ストリーミング*2再生版というものが新たにでき、1課220円/全25課5,500円と割安になっているが、教室授業では特定の課だけが必要ということはほぼ無いので、2500円の違いならば、パッケージ版を買うことになりそう。

サポートサイト †

スリーエーネットワーク
http://www.3anet.co.jp/

サイトは2019年3月にリニューアルしたが、根本的な設計はダメなまま。コンテンツは減り全体像はよりわかりにくくなった。 30年にわたって世界シェアトップの日本語の教科書なので、普通は特設ページがあり、そこですべての関連本が見渡せて、必要な素材のダウンロードが案内されると考えるが、そういうものは無く、ただ本ごとにトップがあり、関連本がいくつか出るという他の本と同じ扱い。多言語化されていないのも変わらない。

ただ、登録無しで、無料で音声や補助教材がダウンロードできるようになった(ただし、多言語語彙リストのダウンロードなどは要登録)。登録はトップページで、メニューアイコンに気がついた人だけがたどり着ける「はじめての方へ」に説明があると気がついた人だけが、ぼんやりと書かれたメリットを知ることができるだけで、Facebookかメールで登録となっている。サイトのクオリティからすると個人情報管理にも不安があるので、Facebook認証ではなく捨てアカでのアカウント作成が正解。活用など関連の読み物は下記の「3A Plus」に移動した。

👉 一般論として、日本語教育関連のサイトは、個人情報管理に不安があるので個人情報と紐つくFacebookなどではなく、捨てメールでアカウントを作ったほうが無難と思われます

関連サイト

□ 3A Plus
https://plus.3anet.co.jp/
:Webマガジンのサイト。日本語学校での実践レポや、教材別の活用ガイドの連載があるが、本家のサイトに輪をかけてわかりにくい。連載名をクリックすると最新記事に飛ぶがバックナンバーがわからない。なのに新着記事のメニューもある。上のメニューやタグクラウド的なボタンは単なるソートで、まったく機能しない。「何がどのくらいあるのか」まったくわからない。登録しないと読めない記事と公開されている記事が混在しているのも理解に苦しむ。いわゆるパンくずリストのリンクも上層→下層という関係ではなく単なるソートボタン。サブドメインで運用されているが、本家のトップのメニューにはリンクがなく、バナーしかないのでむしろ気がつきにくい。

□ みんなの日本語倶楽部
http://xn--38j2b6b6e.xn--q9jyb4c/
:これもサポートサイトだが、コンテンツがある独立したサイトではなく、オリジナルのPDFが少しと、その他は、ほぼすべて外部リンクで成り立っているポータル的なサイト。本体へのリンクも多く、とりあえず本体のサイトからみんなの日本語関連のことだけ抜き出せるようになっている。ゴミ屋敷の隣に四畳半を借りて、必要なものだけ屋敷から持って来るような謎のコンセプトのサイト(本家のサイトをわかりやすく構成すればいいのでは…)。日本語ドメインで「にほんご.みんな」。

「電子版」 †

日本語教材電子版ご購入の手引き|スリーエーネットワーク
https://www.3anet.co.jp/denshi_guide.html

2020年7月スタート。

→これは電子版ではなくオンライン版で、法人ライセンスもある模様。割安(本冊は2750円→1800円)だが、一年間限定。アカウントを取得してアカウント内で利用、オンライン授業での画面共有はOKだが、ライブのみでオンデマではNG。かなり古いオンラインブック的な仕様で、つまり完全にコロナ対応ということでしょう。

関連本 †

他を寄せ付けない膨大な関連本と多言語展開が強み。

教師用指導書

📲初級I 第2版 教え方の手引き | 📲初級II 第2版 教え方の手引き

音声・動画

初級I 第2版 CD5枚セット 初級II 第2版 CD5枚セット | 初級I 第2版 会話DVD | 初級II 第2版 会話DVD | 初級I 第2版 会話DVD PAL方式 | 初級II 第2版 会話DVD PAL方式

👉 PALとは映像の再生の規格のことで、主に欧州や東南アジアで採用されている。日米韓台フィリピンなどはNTSC方式。フランス、露、東欧などはSECAM方式 → Wikipedia 世界の放送方式

漢字

初級I 第2版 漢字練習帳 | 初級II 第2版 漢字練習帳

👉 『みんなの日本語初級Ⅰ 第2版 漢字 英語版』漢字練習シート が無料ダウンロード可能。

問題集

初級I 第2版 書いて覚える文型練習帳 | 初級II 第2版 書いて覚える文型練習帳 | 初級I 第2版 標準問題集 | 初級II第2版標準問題集 |

聴解

初級I 第2版 聴解タスク25 | 初級II 第2版 聴解タスク25

読解

初級I 第2版 初級で読めるトピック25 | 初級II 初級で読めるトピック25
📲小説 ミラーさん 初級I | 📲小説ミラーさん 初級II

👉 『小説 ミラーさん -みんなの日本語初級シリーズ-』注釈の各国語訳 | 『小説 ミラーさんⅡ -みんなの日本語初級シリーズ-』注釈の各国語訳というものもありました。

作文

みんなの日本語初級 第2版 やさしい作文

その他

初級I 第2版 導入・練習イラスト集 |初級II第2版導入・練習イラスト集 | 初級I 第2版 絵教材CD-ROMブック | 初級II 第2版 絵教材CD-ROMブック

ローマ字版

初級I 第2版 本冊 ローマ字版 | 初級I 第2版 翻訳・文法解説 ローマ字版【英語】

翻訳・文法解説 第2版

初級I 英語版 | 初級II 英語版 Ⅱ | 初級I 中国語版 | 初級II 中国語版 | 初級I スペイン語版 | 初級II スペイン語版 | 初級I ドイツ語版 | 初級II ドイツ語版 | 初級I ポルトガル語版 | 初級II ポルトガル語版 | 初級I ベトナム語版 | 初級I ベトナム語版 | 初級I フランス語版 | 初級II フランス語版 | 初級I 韓国語版 | 初級II 韓国語版 | 初級I タイ語版 | 初級II タイ語版 | 初級I インドネシア語版 | 初級II インドネシア語版 | 初級I ロシア語版(新版) | 初級II ロシア語版(新版) | 初級I イタリア語版 | 初級II イタリア語版 |

👉 韓国語版の初級IIの第2版、タイ語版は、初級Iの第2版がアマゾンでは欠品になっていた。(スリーエーのサイトではありました。ここのリンクから行けます)。

語彙訳の小冊子

ビルマ語 ネパール語 シンハラ語 中国語繁体字 アラビア語 ペルシア語 アルバニア語 アゼルバイジャン語 モンゴル語 ウズベク語 ベンガル語 セルビア語 クロアチア語
「『みんなの日本語 翻訳・文法解説』の現在発行予定のない言語について、語彙訳を内部資料(B5判小冊子)としてまとめました。」とのこと。

アマゾンでは販売されていない。出版社のサイトで申し込めば小冊子をⅠ冊800円で実費で購入可能とのこと。PDFなどでダウンロードできるようにする予定はなさそう。

→ サイトの説明はここにあります。

準拠教材

初級1携帯用絵教材 | 初級2携帯用絵教材

👉 この「携帯」は、携帯電話(ガラケー)のこと?やや古いので、絵教材なら上のイラスト集やCD-ROMブックのほうがよいと思われる。しかし、軽い画像が多そうだし、加工して使うなら、これもわるくないかも。ただし高い(15000円弱)

👉 他の出版社でも、みんなの日本語準拠となっているものがあったが、現在はハッキリと書かれたものは見かけなくなった(いろいろ厳しくなった?)しかし、学習順などは事実上の業界標準でもあり、たいていの副教材は準拠していると言える。課の順番どおり、みたいな「隠れ準拠」の教材も結構あるようです。

アプリ

Android 初級Ⅰ 第2版 聴解タスク25 | 初級Ⅱ 第2版 聴解タスク25

iOS 初級Ⅰ 第2版 聴解タスク25 | 初級Ⅱ 第2版 聴解タスク25

関連サイト †

OJAD - オンライン日本語アクセント辞書
:みんなの日本語にも準拠している。
http://www.gavo.t.u-tokyo.ac.jp/ojad/
文型積み上げ式への批判に対する意見 | Shingo Imai's Idea Notes (今井新悟 blog)
http://shingo-imai.blogspot.com/2014/12/blog-post.html
日本語の教科書が目指すもの 2017 筑波大学シンポジウム
http://www.intersc.tsukuba.ac.jp/~kyoten/symposium/20170910_shiryo/170901.pdf
『みんなの日本語』、あるいは文型シラバスは時代遅れなのか? - Togetter
https://togetter.com/li/1096274

関連動画

スリーエーネットワークのチャンネル

Youtubeのみんなの日本語の検索結果

Youtubeのminna no nihongo の検索結果

みんなの日本語初級Ⅰ第2版会話DVD-sample-

Youtubeの関連動画

もやもや †

  • 高い。学習者向けだけでも、初級ⅠとⅡで5000円。文法説明2000円。読解の本1400円。聴解タスク2000円、問題集900円、練習帳1300円、漢字練習帳900円、CD5枚セット8000円×2、ここまでで、29500円。DVD(8000×2)も買うと、45500円。教師が買うものは、さらに、指導書2800円×2、イラスト集3000円×2、絵教材DVDROM3000円×2学校が追加で合計60300円。教師だけでなく学習者にも負担となっている。日本語学校の2年間で、初級で45000円、中級、上級でも同じ程度とすると、教材費だけで15万近くかかる計算になる。国外だけでなく、国内の告示校でも違法コピーが横行している原因のひとつ。地方のボランティア教室などでドリルや音声CDなどをセットで購入するのは無理。
  • アマゾンなどの登録の署名の数字の表記が、2だったり、IIだったり、Ⅱだったりで安定しない。最も多く使われている「II」は「I」を並べてIIにしたもので、ソートするとII、Iの順番になってしまい、かなり使いにくい(検索するとだいたいIIのほうが先に来る)
  • デジタル対応が遅い。音声ファイルの配布が始まったのは2010年代後半。
  • 既習事項に「積み上げていく」という考え方で、基本、一日4時間、週5日のペースで学習する密度でガリガリやることを前提としているので、教室授業であっても時間数が少なかったり、間隔が空くケースやモチベーションがそれほど高くない学習者の場合はどうか?
  • 地域の教室や実習生、ビジネス関係者相手なら「まるごと」や「げんき」という選択肢も有力だと思われるが、国内ではみん日のシェアが高く、教え方から関連教材まですべてみん日で回っている。日本語学校業界も「みん日」で、指導書をベースにやれば、業界自体にノウハウの蓄積があるので最低限の質は保証される、同じやり方でやったほうが養成講座もやりやすい、業界として「みん日職人」を育てることに一本化したほうが効率がよく、低コスト、教師の入れ替えも容易、教師も勉強が楽、というような、消極的なWin-Win関係とも言うべきものが構築されており、なかなか学習者の適性に応じた教科書の選択はされず「とりあえずみん日で」ということになってしまっている傾向がある。
  • 国内では、みん日は80年代から中国や韓国からの学習者相手に使われてきており、活用方法全体が、中韓の学習者に最適化されたものとなっている傾向がある。いわゆる非漢字圏の学習者に最適化した使い方の蓄積が少なく、まだ試行錯誤の段階。中韓の学生をみん日で教えてきた世代の教師の方法と学習者とのミスマッチという問題もある模様。
  • サイトの設計はほんとうに酷い:2017年前後のリニューアル後、ますます迷宮化した。以下、箇条書きで。
  • トップページ、サイトの全体象が掴めずページの親子孫関係もさっぱりわからない。
  • トップページ、意味なく大きいバナーがページの邪魔になり、どういうコンテンツがあり、どうやって行くのか、わからない
  • 相変わらず英語もおざなりで説明が少なく、急に日本語のページに飛ばされたりする。
  • 検索は日本語も英語も挙動がおかしく、漢字で検索してもまったく関係ない教科書が検索結果のトップに現れる。
  • 「日本語の基礎」にみんなの日本語のタグがふられているらしく、検索するとぞろぞろと出てくる。タグクラウドのボタンで出てくるものがズレている。おそらくタグの振り方がダメ。
  • 旧サイトであった文書が見つかることがあるが、新サイトからは辿れない。つまり旧サイトの文書が削除されず放置されている可能性がある。文書管理、文書に含まれる個人情報管理にも不安が残る。
  • 日本語教師向けのPlus には、読み物があるようだが、何があるのかこれもまったくわからない。何か連載的なものがありそうなリンクをクリックして最新記事を読んだら終わり。過去記事、関連記事がどこにあるのかわからない。
  • 学習者の大多数は英語以外の言語話者であるのに、英語以外の多言語化はする気はない模様。

日本語学習者のほとんどは海外におり、ネットは唯一、日本語学習者に直接アナウンスできるメディアなのだが、そもそもサイトを作ることにまったく興味がないとしか思えない。これまで30年近く、何人の学習者が「みんなの日本語」で検索し、このサイトにたどり着き、がっかりしてページを閉じたかと思うと、なんたる損失かと、ため息しかでてこない。

ツイッター上の「みん日祭り」 †

SNSの中でも現場の教師が多いツイッター上ではみん日についての議論は度々話題になります。教科書の選択を左右するほどの議論とまでは言えないと思いますが、記録として、別のページでまとめました。以下をご覧ください。

ツイッター上のみん日祭り

研究 †

みん日の歴史に関しては以下に詳しい。
日本語の花を咲かせる|日本語教育100年史 | ORAL HISTORY ARCHIVE
https://oralhistory-jle.com/archive/329/

みん日が対象になっている論文は多数あるので、このページの下の論文のところに別途「みん日関連」を設けました。

できる日本語 †

https://amzn.to/2U4dAFD

できる日本語 初級
できる日本語 初中級

👉 中級もある。

概要 †

  • 初版:2011年~
  • 著者:嶋田和子、できる日本語教材開発プロジェクト
  • 課:15・15
  • 想定学習時間:初級150,初中級200時間となっている。(中級は350時間)
  • 漢字:300前後?
  • レベル:初級ⅠはN5~N4前半、初級ⅡはN4後半~N3前半を目指す、となっている。
  • 翻訳:基本日本語で場面説明などに英語、中国語、韓国語がある。
  • 備考:場面ベースの構成だが各課ごとに「行動目標」がある。初級の項目を揃えてそれにプラスして初中級までをカバーした教科書。中級もあり。音声は付属CDで提供だが音声ファイルのダウンロード提供はない模様。語彙は英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ネパール語が版元からダウンロードできる。(要登録)。

中身のサンプルはPDFで提供:http://www.alc.co.jp/book/img/7008004.pdf

コンセプトはサポートサイトであるできる日本語ひろばによると「プロフィシェンシー(熟達度)を重視した教科書です。CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)やOPI(オーラル・プロフィシェンシー・インタビュー)などの考え方をもとに、行動主義に基づいて作成されました」とのこと。

初級、初中級、中級と続き、最初の2冊が従来の初級というカテゴリに近い。初級は英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ネパール語の翻訳版があり、中級からは中国語韓国語の翻訳は無くなる(不要という判断?)

語彙訳は初級が英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ネパール語がアルクのサイトでダウンロードできる(要登録)。(中級は英語・ベトナム語・ネパール語のみ)。タイ語とインドネシア語は「ひろば」からダウンロードできる

「できること一覧」というシートは多言語版がここからダウンロードできる。
英語、韓国語、簡体字、繁体字、ベトナム語、ロシア語、ポルトガル語、スペイン語、モンゴル語、インドネシア語、ミャンマー語。

👉 音声はエンハンスドCDが付属となっている。エンハンスドCDとはアイドルのCDのようにおまけでPVがついているようなタイプのCDだが「できる」には動画は無い模様。音声ファイルとPDFのみとのこと。「できる」のエンハンスドCDから音声のみをPCに取り込めるのかは不明。エンハンスドCDは、一般のCDプレーヤーでも100%再生できるとは限らないし、パソコンのドライブでも動かないことがある。PDFはダウンロード配布にして、CDは普通のCDにして音声だけにしたほうがいいのでは。。。

電子書籍化 †

2021年2月に電子書籍化がアナウンス。kindleや楽天などで販売。海外対応は不明。音声は版元のアルクのアプリ経由でダウンロード可能ということになった。ただファイル単体で活用できるのかは未確認。(このアプリ経由の音声配布は日本語教育の世界では多い。コピー対策だと思われるが、使う立場からするとアプリ内でしか再生できないなら自由度が低く不便。アプリが要登録のダウンローダー的なものであるなら、コピー対策にはならないので何とも…)。

サポートサイト †

アルクには書籍紹介ページと「できる日本語」がよくわかる!があるが、リンクは相互になっておらず、ググって上位に表示される紹介ページにしか気づかない人は多そう。

2011年発売で、2017年にやっとサポートサイトが作られた。

できる日本語ひろば
http://www.dekirunihongo.jp/
教科書のコンセプトの説明、実践例などコンテンツは充実してきたが、あまり上手く整理されていないという印象。音声ファイル配布はなし。SNSなどは活用していないが、実践例の報告など教師向けの内容は充実しており、関係者の教科書を普及させたいという情熱が伝わってくるサイト。

👉 「できる日本語」の関係者は、SNSの活用こそ無いものの、サイトを作り、みん日からの移行をふまえた説明をし、そこで教師向けに使い方を詳しく説明し、手製の副教材や語彙の翻訳リストを無償で公開し、テストやプリント類も配布している。今も頻繁に利用者からのフィードバックなどを含む実践例のレポートが更新されている。関係者は国内外をまわって活用のセミナーを行っている。サイトには質問のフォームもあり、あらゆる質問に丁寧に答えるという姿勢で、シェアも少しずつ上がっている。

関連本 †

教師用

できる日本語 初級 教え方ガイド&イラストデータCD-ROM
できる日本語 初中級 教え方ガイド&イラストデータCD-ROM]

補助教材

できる日本語 わたしの文法ノート 初級
できる日本語 わたしの文法ノート 初中級
わたしのことばノート 初級
わたしのことばノート 初中級
できる日本語準拠 たのしい読みもの55 初級&初中級
👉 「文法ノート」は文型、学習項目の整理、「ことばノート」は語彙の整理の副教材

漢字たまご 初級
漢字たまご 初中級
👉 準拠の漢字教材。目的別の教材の漢字のところで扱います。

もやもや †

  • 教科書はアルク、問題集は凡人社と別会社。アルクで問題集のリンクをクリックすると凡人社に飛び、凡人社からアルクにもリンクがあるが、アルクと「ひろば」はリンクがなく、凡人社からは「ひろば」にリンクがある。軸になるべきは「ひろば」だと思われるが、ひろばには音声ファイルや素材のダウンロードの案内やどこで買えるのかなどの基本的な情報がない。ダウンロード可能な語彙訳やシート、音声などは、どこにあるのかわからない(上で整理したとおり、実際、あちこちに点在している)。ネットでは本の全体象の把握が難しい。
  • デジタル対応は、音声ファイル提供も無しと「みん日」よりも遅れており、「ひろば」の文書も紙をスキャナーでPDF化した解像度が低いもので、配布もエクセルなどOfficeどまり。サポートサイトが作られたのは発売6年たってから。レイアウトも極端な左寄せで見にくいまま。デジタルへの関心の薄さが感じられる。(→2021年2月に電子書籍化しアプリ経由での音声ファイル配布も始まった)。
  • 多言語化は、語彙訳はネパール語があるが、シートは無い、というように、バラバラ。手製のものは正式にアナウンスされていないなど、やはりわかりにくい。
  • いろんな学校で「採用」されることに重きを置いているようで、日本語教師個人や学習者にアピールする気はなさそう。特に学習者向けの情報はネットにはほぼ無い。

研究 †

私が「みん日」から「でき日」に乗り換えたわけ|はやしえみ|note
https://note.com/maturibayasi78/n/nce23072d6fe5

日本語初級 大地 †

https://amzn.to/2U4dAFD

日本語初級〈1〉大地―メインテキスト
日本語初級〈2〉大地―メインテキスト

概要 †

  • 初版:2008年 ~
  • 著者:山﨑佳子 , 石井怜子 , 佐々木薫 , 高橋美和子 , 町田恵子 著
  • 課:22・20
  • 想定学習時間:各100~120時間
  • レベル:N5~N3
  • 漢字:300(160+140)
  • 翻訳:文型説明は英語、中国語、韓国語、ベトナム語がある。
  • 備考:語彙訳は英語 中国語 韓国語 スペイン語 ポルトガル語 タイ語 インドネシア語 ベトナム語 ビルマ語 中国語繁体字

「みんなの日本語」のスリーエーネットワークが作った、留学生向けの、やや短期促成的な?、教科書とのこと。多少、「みん日」より実際に使われる場面に関連づけて作ったという意図は(ちょっとだけ)感じる。音声は付属CDとダウンロード。語彙訳のみインドネシア、タイ、ベトナム、繁体字、スペイン、ポルトガルは、無料でダウンロードできる。サイトでは「日本語学校や大学で日本語を学ぶ外国人を対象とした、初級の学習項目を短期間で効率的に学習する日本語総合教材です」と説明されている。

最初に教科書全体で人間関係の図がある。このへんは「みん日」的な構成

  1. 会話例
  2. 会話の文の練習
  3. 設問、練習用の素材

ここまでは「みんなの日本語」とほぼ同じ。これに

  1. 自由会話用の素材

という構成。多言語(インドネシア語、タイ語、ベトナム語、中国語繁体字、スペイン語、ポルトガル語、ビルマ語)の語彙訳もある。

この「大地」は「みん日」のライト版? ただ、通常なら削除されてもいいようないわゆる迷惑受け身はあったりして意図を知りたいところ。しかし、スリーエーのサイトにはこの大地のための特設ページなどは無く、ただソートされた関連書籍の一覧が出るだけ。

圧倒的なシェアのみん日はともかく、この「大地」はどういう教科書なのかは中身をみないとわからないことになっている。みん日よりページ数は少ないが、何を削ったのか、どうして削ったのか、どう実用性が高いのか、みたいなことは一切書かれていない。もう少し開発意図、コンセプトなどの説明がほしい。しかしたっぷりお金がかかっていて副教材なども豊富。モールの書店などに並んでいることは少ない。アマゾンの中身をみる機能にも対応していない。

サポートサイト †

出版社の書籍紹介ページだけで特設ページ的なものはない。

関連本 †

教師用

初級〈1〉教師用ガイド「教え方」と「文型説明」
初級〈2〉教師用ガイド「教え方」と「文型説明」

多言語版

初級〈1〉文型説明と翻訳 英語版
初級〈2〉文型説明と翻訳 英語版
初級〈1〉文型説明と翻訳 中国語版
初級〈2〉文型説明と翻訳 中国語版
初級〈1〉文型説明と翻訳 韓国語版
初級〈2〉文型説明と翻訳 韓国語版
初級〈1〉文型説明と翻訳 ベトナム語版
初級〈2〉文型説明と翻訳 ベトナム語版

👉 語彙訳は、上の言語に加えて、インドネシア語・タイ語・中国語繁体字・スペイン語・ポルトガル語・ビルマ語が無料でダウンロードできる。

問題集 日本語初級〈1〉基礎問題集 | 日本語初級〈2〉基礎問題集

聴解 文法まとめリスニング 初級1 | 文法まとめリスニング 初級2

漢字 ことばでおぼえる やさしい漢字ワーク 〈1〉 | ことばでおぼえる やさしい漢字ワーク 〈2〉

👉 その他、2014年刊の日本語初級〈1〉漢字学習帳 〈英語版〉と日本語初級〈2〉漢字学習帳〈英語版〉というものがあるが、これは旧版?

「ことばでおぼえる~」のほうは、「非漢字圏の学習者を対象に、日本語能力試験N5・N4レベル(旧4級・3級)の漢字の読み書きを、負担をかけずに学べるよう工夫したワークブックです。初級後半レベルの漢字140字を練習し、「初級1」の160字と合わせて、300字の漢字を学習することができます。」と説明されている。準拠の漢字教材と思われる。

その他

トップのメニューから「大地」を選ぶと(特設ページではなく)検索結果が出るが、以下の素材がダウンロード可能らしい。書籍の体裁と同じでわかりにくいのはスリーエークオリティ。「補助教材」と書いてる「お役立ちリンク」もただのリンク集。

  • 『ことばでおぼえる やさしい漢字ワーク 初級1―日本語初級1 大地準拠―』教師用ガイド
  • 『ことばでおぼえる やさしい漢字ワーク 初級1―日本語初級1 大地準拠―』フラッシュカード、各課クイズ
  • 『ことばでおぼえる やさしい漢字ワーク 初級1―日本語初級2 大地準拠―』教師用ガイド
  • 『ことばでおぼえる やさしい漢字ワーク 初級1―日本語初級2 大地準拠―』フラッシュカード、各課クイズ

もやもや †

  • とにかく情報が少ない。ネットで中身拝見的な機能はなく、モールの書店には置いていない。書店は減る一方。教科書を中身を見ずに買うことは考えられない。
  • 教師用ツールをクリックすると、画像やスライドの無料素材ではなく、大地お役立ちリンク集に飛び、世界遺産めぐりの外部サイトの紹介とGoogle画像検索へのリンクなどがある。作るならサイトにひとつリンク集を作ればいいのでは。

研究 †

非漢字圏学習者の負担を軽減する漢字指導の試み
https://ci.nii.ac.jp/naid/120006606660

📲げんき GENKI †

https://amzn.to/2AR3L7e

GENKI: An Integrated Course in Elementary Japanese I [Second Edition] 初級日本語 げんき I [第3版]
GENKI: An Integrated Course in Elementary Japanese I [Second Edition] 初級日本語 げんき II [第2版]

出版社は Japan Timesで、主に米国を中心に英語圏で最も売れている教科書。唯一総合教科書でkindle版がある。 サポートはサブドメインのここで展開されており、充実している。

概要 †

  • 初版:1999年→2版2011年→3版2020年。2020年に1が3版に。2はまだ2版(2011)。アマゾンでは旧版と新版が混在している模様。
  • 著者:坂野 永理,池田 庸子,大野 裕,品川 恭子,渡嘉敷 恭子
  • 課:12・11課
  • 漢字:317
  • 想定学習時間:1課9時間、23課で合計200時間
  • レベル:N5~N3
  • 翻訳:本冊に英訳がある。英語圏を想定した教科書。
  • 備考:米アマゾンでは圧倒的トップで、2020年の時点で800超の(ほぼ絶賛の)コメントがついている。

2分冊。基本英語での説明の教科書で、自習も可能だと思われる。構成は会話文法と読み書きで分けてあり、Ⅰが1~12課、Ⅱが13~23課、合計23課で想定されている学習時間は200時間。英語での説明があり自習も可能。課のテーマは「忘れ物」「愚痴とうわさ話」といったように場面、状況設定に工夫がされている。

出版社のサイトでは、1と2で、文型:初級文型全般(です・ます~敬語・使役受身)、漢字:317字、語彙:約1,100語、想定授業時間:約200時間となっている。

日本に留学に来たメアリーが主人公で、あとは周囲の友人や家族がいる、という設定。

まず会話・文法編があり

  1. 会話
  2. 会話の英訳
  3. 単語リスト(英訳)
  4. 文法の説明(英語による)
  5. 練習

という構成。次に読み書き編

  1. その課に出てくる漢字のリスト
  2. 漢字の練習問題
  3. 短め、とやや長めの文章を読む練習
  4. 自由作文

中身のサンプル

テーマに関する補足的な英語のコラム、最後に使える表現の追加、整理などがある。ほぼすべての文に英訳があり、文法などの説明もすべて英語、原則日本語でしか進めない「みんなの日本語」とはまったく違うアプローチだが、文法の説明は従来の日本語教育的な解釈をベースにしているという印象。

英語圏で圧倒的人気

英語圏でシェアを伸ばしていて、かつてのJapanese for busy people に代わって2000年代の英語圏の日本語教科書の定番となった。米のアマゾンでも高評価が800以上ついていて圧倒的トップ(みんなの日本語や他の教科書はせいぜい数件)。個人相手に売れているというところでも多分トップ。北米では人気で有名大学でも利用されているとのこと。教師用指導書、ワークブック、がある。音声は教科書付属CDで提供。多言語化はされる様子はない。

サポートサイト †

http://genki.japantimes.co.jp/

日本語教材の中で「デジタルの関連素材の提供に関しては」最も充実している。Japan Times出版社のサイトは短い紹介だけだが、別途サポート用の特設サイトがあり、学習者向けに作られていて英語対応になっている。教師向けの説明、無料の学習素材も充実。ゲーム的なアプリもある。

「リソースライブラリ」では、教師用の素材(授業の素材、一覧など)がエクセル形式、PDFなどで配布されている。また、学習者向けにひらがなや漢字の練習などのクイズ的なウェブ素材もある。

「げんきな自習室」にあった動画は2017年4月にリニューアルされた。長くても90秒くらいでYoutubeアップというセオリー通りで、見やすく、アクセスしやすいものでした。
『初級日本語げんき』文型ビデオ集
http://genki.japantimes.co.jp/site/video/jp/

👉 ただ、YouTubeでは限定公開でサポサイトで引用されており、個人名のチャンネルにアップされている。限定公開は、あまり意味がないので、Japan times か、げんきのチャンネルを作り、そこにアップしなおして引用したほうがいいのでは。。。 👉 一時期Japan Timesの出版部門は日本語教育から撤退というニュースが流れたが、2010年に改訂もされており、今後も出版は継続されるもよう。新しい教科書のわりに構成、学習項目、説明などはオーソドックス。

関連本 †

教師用 GENKI: [ Teacher's Manual ](2nd Edition)(アマゾンでは旧版と混在)

問題集 📲初級日本語 げんき ワークブック I [第3版] | 📲初級日本語 げんき ワークブック II [第2版] |

教師用素材 初級日本語 げんき げんきな絵カード I イラストデータ版 [第2版] | 初級日本語 げんき げんきな絵カード II イラストデータ版 [第2版] |

漢字 📲KANJI LOOK AND LEARN | 📲KANJI LOOK AND LEARN Workbook |
👉 準拠ではないそうですが、セットで宣伝されている漢字教材。独立した漢字教材としてもすぐれている。目的別の教材で扱っています。

📲GENKI: Answer Key [Second Edition] 初級日本語 げんき 解答 [第2版]
👉 本冊、ワークブックの設問の回答や原稿など。教師用指導書には別冊でついてくるとのこと。Webで配布でもいいのでは。。。

アプリ

Android | GENKI Vocab Cards | GENKI Kanji Cards | GENKI Conjugation Cards |

iOS | GENKI Vocab Cards | GENKI Kanji Cards | GENKI Conjugation Cards |

もやもや †

  • 音声ファイルは配布されるが、Japan Times社製のアプリ経由でないとできない。ファイル単体で扱えず、アプリに不具合があるとアウトなので、単純にmp3ファイルダウンロードにすべき。
  • 関連する素材の無料配布も多く、kindle版もあり、オンライン版もいち早く出され、さすが米国の教育機関で多く使われている教材という印象だが、サポートサイトが貧弱で設計がイマイチ。素材は追加されているものの、トップページや更新情報などは2010年以降、更新されておらず、情報もアップデートされていない。これはサイト設計自体が古いままであることが原因で、手作業で全部やらなければならないから、全体が古いままで、追加した分だけになってしまう。サブドメインではなく、独立したドメインで、しっかりしたCMSで、管理者を置き、再展開してほしい。Youtubeも、公式チャンネルにしないと、いくらなんでもマズいという気がします。
  • 基本的にデジタル素材やオンライン授業対応など、必要なものは作るが、サポサイトにポンと置くだけ。SNSでのアナウンスもないので、利用者以外は、げんきがどんな教科書なのかわからないまま。シェアトップなので、もう宣伝やアピールは不要だと考えているのかもしれないが、個人ユーザーは気がつかない。

研究 †

『げんき』が目指したもの
https://www.intersc.tsukuba.ac.jp/~kyoten/symposium/20170910_shiryo/03ohno01.pdf

📲まるごと 日本のことばと文化 †

https://amzn.to/3h6SnEy

入門

まるごと 日本のことばと文化 入門 A1 りかい
まるごと 日本のことばと文化 入門 A1 かつどう

初級1と2

kindle版

:2020年9月に発売開始。価格は紙とほぼ同額。米アマゾンなど海外のアマゾンではあったりなかったり。

Google play books でも販売とのこと。Googleのほうがやや安い?ただ、いろんな端末での閲覧を考えるとkindleを買うほうが無難かもしれません。kindleは、すべてのOSでアプリがあるので。

能試対応的な総合教科書とは言えないが、初級~中級までの日本語の教材の試みのひとつとして、ここに置いてみました。告示校ではほとんど使われていないが、海外では採用するところが増えている模様。今後は特定技能の試験を担当することになったことで、今後は日本国内の就労系のクラスなどでの活用も増えそう。

👉 初中級以降は中級以降の教材で扱います。

概要 †

  • 初版:2013年
  • 著者:独立行政法人国際交流基金,来嶋 洋美,柴原 智代,八田 直美,今井 寿枝,木谷 直之
  • 課:9課づつとなっている。
  • 想定学習時間:書かれていないが、初級はやはり100~300時間くらい?
  • レベル:N5~N2
  • 漢字:字ではなく語として覚えるとのこと。約300くらい?
  • 翻訳:初級までは本冊にローマ字や英語訳の補足がある。中級以降は日本語のみ。
  • 備考:2020年中にkindle化の予定はあるとのこと。ツイッターで褒めると高確率で国際交流関係者にRTされる。

サンプルはここでみられる。
https://www.marugoto.org/about/

国際交流基金が出した教科書。CEFRのレベルに準拠しているということになっている。

  1. 初級が入門、初級1、初級2 の3段階
  2. 初中級が1段階
  3. 中級1、中級2の2段階

という構成。2017年に中級が出版されシリーズ完結。初級で理解編と活動編の2冊でワンセットだが、初中級と中級は分冊ではなく1冊なので合計で9冊。

3分冊、合計6冊。教室用教科書としては一部だが多言語対応。初版から4年の2017年に累計10万部になったとのこと。国際交流基金の教室中心に使われている模様。海外ではじわじわ拡大中というところだがまだまだ限定的。文の形の定着練習でも、音声の聴き取りとミックスさせたりといろいろと工夫が施されている。音声ファイルはネットで提供なのは画期的だったが、公的機関が出す教材として多様なニーズへの対応も期待したい。CDでの提供もしてほしいところ。

初級の「りかい」と「かつどう」は、同じ課の数でテーマも同じ。テーマを元に設定した場面でキーワード、表現を覚えて聴いたり話したりをやり場面ごとの課題を解決するというのが「かつどう」で、テーマ周辺の表現の説明、理解は読み書きも含め「りかい」でやるということになっている。「かつどう」をサバイバル教材として使ってもいいし、りかいを組み合わせれば総合初級教材として使えるというように考えることもできるし、「りかい」をメインの教科書にして「かつどう」は自作で済ますということも可能と思われる。自由度が高い初級のための「素材系教科書」というところか。

フルカラーで一課に数枚写真が使われているが比率としてはイラストのほうが多い。最初に6ページくらいこの教材の元々のコンセプトから使い方などの説明が英語と日本語である(合計12ページ)。他の教科書のように、主人公、周囲の環境、人間関係、というようなきっちりした設定はない。

りかい編

  1. まずその課のタスク(これができるようになるというような目標)が日本語と英語で示される。
  2. 次に語彙、表現、漢字など必要な素材を練習しながら
  3. 会話例、重要な文法事項、練習が2セットぐらい
  4. 読解、作文系の設問

半分くらいで音声も使われている。

かつどう編

かつどう編では、聴く練習が多く、単語、フレーズなどを駆使して状況を解決するという体裁になっている。教室で展開するための写真イラストや設問などがある。

初級の次の初中級、中級1、中級2は、分冊ではなくそれぞれ1冊づつ。

素材としての教科書

養成講座修了しましたというぐらいの経験の少ない教師にはサイトの指導のヒントだけでは難しいかもしれない。関係者は「順番どおりにやればいいだけだから簡単」というが、それは基本的な進め方、説明の知識、スキルがあるという前提のこと。最初の使い方、巻末のポートフォリオも英語のみ。ローマ字もヘボン式で英語色が強い。多言語化は、語彙訳までの模様。

サポートサイト †

「げんき」にはデジタル素材の豊富さでは負けるが、音声ファイルのダウンロードも最初から対応で、Web教材もオンラインコースもある。サポートサイトは初期は乱立し混乱していたが*3、徐々に整理されてきた。他の総合教科書と違って、ワークブック的なものはウェブで無料で配布される(要登録)。教師用指導書の代わりに1課につき1ページ程度の「教え方のポイント」が交流基金のサイトで「教師用リソース」としてPDFで配布されている。ウェブでゲットできる副教材を揃えても、一般的な教室ではやや練習の絶対量が不足気味になりそうなので、何か別途問題集などが必要になるかもしれない。教師のやる気と工夫が問われる教科書。

1)メインサポートサイト
:ポータル的なサイトだったが、音声ファイル配布などここにデジタル素材も集約され、現在はサポートのメインサイトとなっている。
https://www.marugoto.org/

2)MARUGOTO Plus
eラーニング系のサブサイト。
https://marugotoweb.jp/

3)MARUGOTO JAPANESE ONLINE COURSE
:「みなと」と連動したオンラインコースのサイト。日本語・英語・スペイン語・中国語・インドネシア語・タイ語・ベトナム語に対応している。
https://www.marugoto-online.jp/info/

👉 MARUGOTO-NO-KOTOBAのような便利なツール的なサイトもある。

多言語版 †

指示のフレーズだけ翻訳された多言語版が出版されている。
https://www.marugoto.org/about/oversea/
インド(ヒンドゥー語)、インドネシア、ベトナム、タイ、ペルー(スペイン語)、マレーシア(マレー語)、フィリピン、韓国

Over Drive版 †

サポートサイトや音声ファイルのネット配布など電子化は最も進んでいるが一般ユーザー向けの電子書籍化は行っていない。楽天傘下のOver Drive社の電子図書館システムを通じての有料配信サービスがある。
https://www.overdrive.com/libraries

Over Driveは図書館や法人が期間契約をして利用者に提供するサービス。図書館だけでなく学校などでも契約できるが、Over Driveとの契約料(利用規模によるが年間1000万くらいからとのこと。図書館まるごと電子化する学校向き)の他に書籍のタイトルごとに契約があり利用者はタイトルごとに個別にコンテンツ利用料を払う。このサービスを通じて学校でまるごとの電子版を利用するためには、まるごとのタイトルの価格は、1ユーザーのアクセスでまるごとの理解編1冊で3000円程度、3同時アクセスで6000円程度を支払う必要があるので、学校が基本契約分を負担するならば紙と同等か少々割高の金額で電子書籍を利用できる。しかし民間の場合は契約料は学費に上乗せするような形でユーザーが結局負担することになるので、紙より割高になることが多い。出版社としては単独の電子書籍として販売するより配信なので違法コピーが拡散するリスクがかなり低く、紙と同等の定価で売れるというメリットがある、ということになっている*4。

個人ユーザーはこのOver Driveと契約している学校や組織、あるいは公立図書館などで利用することができるが、個別タイトルの配信料まで負担してくれる図書館はほとんどないと思われる。有料タイトルは図書館内での閲覧に限るなどいろいろ条件もありそう。

公的図書館では、Over Driveは、大型の本や資料的なもの、もしくは著作権が切れた本の電子書籍の利用が主な目的である模様。コンテンツも少なく、費用対効果を考えると導入できるところはかなり限られると思われる。

Over Driveのまるごとの検索結果

👉 Over Drive社に関してはいろいろな記事など:Over Drive社の電子書籍サービスを導入した公共図書館の悩み、米図書館向け電子書籍配信Over Drive(オーバードライブ)とは? - NAVER まとめ、2018年07月14日 : 瑞穂図書館を考えるblog(導入コストに関して記述があります。年間で一千万程度とのこと。)

👉 Over Driveは世界シェアはトップだが、電子図書館のシステムは日本国内でもいろいろとあり、欧州では、国によってはは公的な政策として電子図書館の運用を行っているところもある。特にディスレクシアの人のための電子化政策は進んでおり、欧州各国では様々な取り組みがあり、欧州単位でも例えば、ヨーロピアナというアーカイブがある。「まるごと」も国の予算で作るのであれば、一般ユーザー向けの電子化を行わないなら、DAISY化などを検討してほしいところ。

関連本 †

語彙

タイ語、ベトナム語、モンゴル語、スペイン語、フランス語、英語などの語彙翻訳があり、ユーザー登録すればダウンロードできる。

アプリ

まるごと関連というわけではないが、国際交流基金は初級用アプリをいくつか出している。
Android
iOS

もやもや †

中身以外の問題が多い。民間の出版社と違って、ほぼ税金で作られている教材なので、声をあげれば改善される可能性があります。納税者としてどんどん注文をつけていきましょう。

  • 高い。入門、初級1と2で6冊。全部で11660円。まるごとは練習やドリル的なものが少なく、別途買うことになるので、2万越えは確実。初級終了まで6冊と冊数が多いのも印象が悪い。音声ファイルの無料のWeb配布のアドバンテージも無くなってきて、おそらくWeb教材でのサポートもそのうち追いつかれる。Duolingoは無料。いろどりも無料。おそらくNetflixなどで語学コースが始まるとあらゆるWeb系学習コンテンツが死ぬかもしれない。先進的な要素でスタートしたが、先進的でありつづけるのは大変。その準備があるのかは未知数。
  • ネーミングの失敗:書名に「まるごと」「にほん」「ことば」「ぶんか」という4つのワードがあり、それぞれが、ひらがななのか漢字なのか迷ってしまうことは、検索では致命的(Googleでは、どちらでもヒットするけど、出版社の検索などでは、正確にひらがな、漢字をやらないとヒットしない)。また、まるごとの横にはスペースが入っていることに気づきにくい。略称は「まるごと」に落ち着きそうだが「みん日」と比較しても検索ワードでライバルが多い。
  • ナンバーリングの失敗:最も改善すべき点。入門→初級~中級という全体の順番が分かりにくい組み合わせに、初級は前後2巻なのに「1」「2」としてしまうマズさ。しかも、知らない人には難しいCEFRのA1、A2、B1~というナンバーリングが、各段階にバラバラに割り振られていて、初級1は実は「3」冊目だけども初級「1」でA「2」、と数字が入り乱れて、絶望的に分かりにくい。書店で順番どおりに並んでいるのを見たことが無い。装丁も、入門、初級1と2の、3つが同系色で見分けがつきにくく、色覚に問題がある人が見分けにくい赤、オレンジ、黄緑という色の組み合わせ。
  • サポートサイトの言語設定:学習者向けのサポートサイトは、言語はトップは英語となぜかスペイン語。飛んだ先の言語対応は英語だけ、多言語(中ベトナム~)とバラバラ。
  • Web展開の関連動画はページ貼り付けで高画質で画質選択ができず重い。使いづらい。日本からだと気づかないが、おそらくアジア、アフリカなどのネットのインフラが弱い地域では再生不可能。ユーザーが環境に応じて設定できるYoutubeで個別に公開すべき。
  • 海外のアマゾンでも売ってるけれども、説明文が雑、長い書名などあまり売る気を感じない。2020年6月、販売7年目でレビューは1~11(英語での独習が可能なげんきは800超)。
  • 基金の関係者はネットで「みん日=古い」「まるごと=先進的」というイメージを語り、みん日を腐すが、印象操作の域を出ない。他との比較より、まるごとが出来ることをもっと具体的に語るべき。そもそもCEFRも発表は2001年、90年前後からオープンな場で議論されているもので、現在は批判も多く絶対的な指標ではないし、日本語教育の世界ではなぜか最先端だが、もはやそれほど「新しい」コンセプトでもない。音声ファイルダウンロードもwebでの素材の配布やちょっとしたWeb教材などももう普通のことになりつつある。
  • 2020年代になっても、上記のようにプロモーションは正攻法ではなく、もっぱらSNS上で挑発したり、即席のアンケートを根拠に「みん日は嫌われている」としたり、というチープなイメージ戦略は続いている。このページのみんなの日本語の項目のツイッター上のみん日祭り参照。
  • 基金の日本語教育には「能試」「JF日本語教育スタンダード」「CEFR」「国際交流基金日本語基礎テスト」「生活日本語 Can-do」「まるごと」「いろどり」があるが、日本語教育に関する総合戦略があやふやな印象。それぞれが個別の「受注された事業」として動いているだけに見える。特定技能での日本国内の日本語教育参入で「まるごと」という教科書をどこでどう使うのかが定まらないということが起きているような印象。

提案 †

税金で作られたものなので、提案も書いてみます。

  • 「まるごと」は、教科書市場で競争するのではなく、日本語教育普及の素材として活用する道を提案したい。個人的には、「入門」はまるごとから切り離してCC(クリエイティブコモンズライセンス)で「いろどり」の入門編(20年秋に出る?)と統合して、電子版と印刷版を無料配布し国際交流基金日本語基礎テストの準備段階の教材としても活用することにして再出発する。「まるごと」は、新たに、初級、初中級、中級の三分冊で一冊2000円の割安価格で3冊でB1まで行く官製の日本語教材として展開する、など。
  • 国際交流基金は、2020年から、特定技能の日本語教育の担当組織として「いろどり」で、まったくの初心者にひらがな、カタカナ、挨拶と、日本語の基本的な構造の説明、音声、動画、Webの試験(日本語基礎テスト)、までを無料で提供することになった。これは画期的な出来事。まるごともこれに倣って、無償化(可能ならCC化)すれば、国内の日本語教育の公的サポートが始まれば軸になりうる教材となり、海外でも、日本語学習者の減少の歯止めになるかもしれない 。
  • まるごとは学習者向けのウェブ素材などは豊富だが、教師向けの案内が弱い印象がある。生活日本語の日本国内のクラスはボランティア教師の比率が増えることを考えると、教師へのサポートは必須。海外でも「なんとなくみん日を使っているところ」にアピールするためには、教師用の特設ページを作り、そこで教室用のスライドなどをしっかり提供して、他の教科書からの移行をスムーズにする配慮をしたほうがいいのでは(他の教科書の悪口ばかり言っていないで)。
  • 写真などの版権の問題でWebでの公開や配布に問題があるとのこと。2013年出版なら仕方が無いのかもしれない。いっそ大幅改定でライセンス管理のために、大幅にあれやこれやを入れ替えて、版権処理をし、CC化に向けて準備をしてほしい。
  • まるごとは教室で教師がいる前提の教科書で、基金の方針(海外で日本語を採用する「学習機関」を増やす。学習者としてカウントできるし)に沿ったものだと思われるが、学習機関はいろんな事情で閉鎖となったりすることもある。個人学習者数減少、日本語学習へのモチベーションも低下する中、ネット展開だけでなく、独習者向けの教材開発も進めてほしいところ。「まるごと日本語リファランス(多言語版もしくはWikiでの展開?)」を期待したい。
  • 国際交流基金は出版時の2013年ごろから世界中のすべての教室や関連教室でまるごとを使っているはずで、累計10万部を超えたという報告もありました。年数千人×7年で2021年の時点で数万の学習者のデータがあるはず。この調査をし公開してほしい。具体的には
  • まるごとで学習した人が、どこまで到達したか。
  • まるごとのよかったところ、問題点。学習者と教師の意見集約。
  • 学習者は修了後「その先」で、どう学習を継続したか。
  • 中級、上級に到達した人からの再評価。
  • 能試のN2,N1の合格者数。
  • まるごと時代以前(2013年以前)との比較

→など追跡調査もふくめてやる。感想や評判ではない資料、客観的なデータ、数字が必要。語学は初級教科書修了時(300時間後)にどうかという評価だけでなく、その後、どこまで到達したか、そこに初級段階の学習のやり方がどう影響したのかの検証、つまり来日して、とりあえず職場や学校でうまくやってる、という段階の「先」で改めて初級の教材、教え方がどうだったのか再評価も重要。特に基金は、特定技能の日本語教育を担当することになったわけなので、留学や技能実習と違って10年の長期滞在、あるいは永住の可能性を視野に、どこよりも長い目で日本語教育を考える必要があるはず。初級、中級の教科書のプロモーション的なものだけだと、この視点が欠けてしまう。民間ではない税金を使ったプロジェクトの説明責任、情報公開という意味からも必要な作業だと思います。基金は、現在唯一税金で教科書を作り、教室を運営できる組織なので、そこから出るデータの日本語教育への提供、共有はマストだと思います。日本語教育関係者もちゃんとそのへんを要求すべきです。

👉 学習者の個人情報はきちんと加工、処理すれば問題ないです。ただし許諾は必要です。ただ、基金は独立行政法人とはいえ、まるごとの関係者でもあり、今の「熱狂的な」プロモーションの方法を見る限りでは、調査は、第三者機関に委託してやらないと信用は得られないかもしれません。

研究 †

説明、関連論文などが多い

発売されたばかりで、国際交流基金も普及に必死なのでいろいろと紹介の文書が多い、国際交流基金が掲げるJF日本語教育スタンダードという考え方に基づいて作られた教科書だが、「まるごと」そのもの説明はあまりない。

初級編の著者による教科書の説明は以下が丁寧でわかりやすい。

『まるごと 日本のことばと文化』ミニ解説
https://www.sanshusha.co.jp/np/blog/recid/15/

課題遂行を出発点とした学習デザイン -『まるごと 日本のことばと文化』中級(B1)の開発をめぐって-
http://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/teach/research/report/14/pdf/05.pdf

総合教科書 2 †

従来とは違う考え方で構成されたもの、また、より少ない時間で勉強するために作られたもの。

📲いろどり †

https://www.irodori.jpf.go.jp/

概要 †

  • 初版:2020年 ~
  • 著者:国際交流基金編
  • 課:18・18
  • 想定学習時間:--
  • レベル:N5~N3
  • 翻訳:ベトナム語版あり。サイトは英語のみ。
  • 備考:初級12で漢字は429字。電子書籍ではないがPDFなので半デジタル化されている。

書籍ではなく、Web教材だが、PDFとしてダウンロードできる。音声ファイルも無料。登録不要。
https://www.irodori.jpf.go.jp/

2021年にオンラインコースもできた。無料だが要登録。 IRODORI online course

初級1 412ページ
初級2 506ページ

特定技能の予算で作られたとのことで、対応言語などは特定技能の協定がある国に限られる模様。今のところ、フィリピンやカンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、タイの12か国。

国の億単位の特定技能の潤沢な予算で作られている。

国際交流基金が2020年の5月に出した教科書。PDFで教科書をダウンロードするという意味ではまだ紙の教材ベースとも言えるが、音声のオンライン再生などもあるので半分くらいはWeb教材。生活日本語 Can-do に従って作られ、全編無料でPDFと音声がダウンロードできる画期的なもの。初級までになっており、おそらくは自らが主催する特定技能の国際交流基金日本語基礎テストまでサポートするよ、という主旨だと思われる(しかし、水産加工だとか溶接のようなハードなブルーカラー的な場面はほとんど出てこない)。無料ということ、また、基金が作るということで継続性も期待できることもあり、日本で生活を始める人にとって最初の教科書としては大きな選択肢ができたという印象。

構成

Can-doを軸にしたもので、教科書というよりは、場面を軸にした実用会話練習素材というもの。初級1の1課から「~ています」が現れる(通常の「教科書」ならば50時間後に出てくる学習項目)のは、従来の積み上げ的なものは作らないぞ、というやや肩に力がはいった宣言のようなものか。

around,center

サポートサイト †

https://www.irodori.jpf.go.jp/

配布サイト自体がサポートサイトとなっているが、サイト自体は英語しかなく、説明も学習者向けなのか教師向けなのか曖昧。「活動の到達目標(Can-do)は「話す」ことですが、まず、Can-doを達成するための会話例を聞いて」というような説明を読むかぎりでは、学習者向けのものとは言えなさそう。「学習者本位で作った」という教材に学習者向けの説明が少ないのは日本語教材あるある。

基金が言う生活Can-doや行動中心アプローチ的なものは、ちゃんとした説明がないのでよく分からないのだが、この種の素材系教材では、本来、教室において教師が、いろいろな広げ方を工夫する前提ありきであるはずなので、現実に使われる場(東南アジアの日本語教室的なところや、日本国内の就労系の日本語研修)を想定して、教師に向けたいろんなレクチャーや教師間の情報交換などのコミュニティー構築があってもいいのでは?

👉 サポートサイトでの展開や別の場の提供が難しければ、あらかじめハッシュタグなどを「#jfirodori」などと設定しておいて、定期的に回収&公開みたいなことも選択肢のひとつでは。

関連本 †

関連本や、関連する素材の提供はこれからかもしれないが、Web教材でもあるので、設定されている場面に近いもの(年中行事やいろんな店舗、サービス、アレルギーなど)の素材は自作でなくても、アーカイブや動画へのリンクとして示すことはできそうだし、教師間で情報交換しそれを集約するような仕組みがあってもよさそう。

「まるごと」に移行することも想定されているようだが、移行のための説明はほとんどない。例えば、この初級の1と2を終えて、まるごとの初中級に進めるかはやや不安があるので、「まるごとに移行するためのいろどりの整理をした版」で自習可能なものが別途PDFで作られることを期待したい。

もやもや †

  • ライセンスはわかりにくい。関係者の「非営利」の補足によると、授業そのものが営利行為でもよいとのことだが、プライバシーポリシーからは、そこは明確に読み取れない。関係者がどう説明しようと、プライバシーポリシーに明記していないと意味がないので「すべての日本語教育機関や個人は許諾無しに無料で個人学習や授業で利用できる」などと書き、かつ、二次加工、再配布、商用利用などの可否、オンライン授業ではどういう制約があるか、などを明確に書かないと、利用に躊躇する人や組織は多いはず。
  • 現在のライセンスのポイントは再販売の禁止だが、教材を再販売して利益を得るところがあったとしても、利はあっても実害はない。禁じてもやるところはやる(PDFがあるのだから簡単にやれる)。それならば、商用利用可のCCライセンスにして、ライセンス表示なしの商用利用を禁じてコントロールしたほうが合理的。つまり、現状のライセンスならば、CC BY SAか、CC BY NAなどで十分対応できる。現状では、日本語が読めない人はプライバシーポリシーも読めないから学習者には伝わらないし、関係者は生真面目な人ほど解釈に悩み損をする。そもそも海外のほうが学習者は多いのだから国際基準で行くべき。
  • PDFはあくまで印刷用のフォーマットであって、完全なデジタルデータではないので、タブレット、スマホでは重く、また数百ページを印刷して使うのは現実的ではない。検索は通るが完全ではない(例えば、SNSのところで引用してあるSNS風のテキストデータ画像など)これらのことを解決するためにも、ePub版も作ってほしい。(ePubでは画像内の文字はaltで入れれば検索対象になる)
  • 音声ファイルはWeb上でも再生できるが、記号的なファイル名で本文のどこなのかわかりにくい。複数まとめてで、個別にURLが割り振られていない。音声ファイルをバラでネット上に置き、個別の音声ファイルに固定URLを割り振れば、PDF上でもQRコードが使える。スマホですぐに簡単に音声が再生できるようになるのだが。
  • 文化庁には、生活日本語の蓄積があるはずだが、同年に出た文化庁のつながるひろがるにほんごでのくらしは残念なものだった。基金と文化庁はなぜ一緒に作れないのか?「生活日本語」と「生活Can-do」のすりあわせでよりよいものが作れる可能性もあったのではと感じる。行政の縦割りによる税金の無駄遣いが悲しすぎる。

研究 †

はじめよう日本語初級 †

https://amzn.to/2zof7Pu

毎日使えてしっかり身につく はじめよう日本語初級〈1〉メインテキスト
毎日使えてしっかり身につく はじめよう日本語初級〈2〉メインテキスト

出版社のチャンネル配信の開発元(TIJ東京日本語研修所)による授業サンプル動画

概要 †

  • 初版:2006年→2013年改定
  • 著者:TIJ東京日本語研修所
  • 課:12・10
  • 想定学習時間:150・150
  • レベル:N5~
  • 漢字:300?
  • 翻訳:語彙訳のみ英中、ベトナム、韓国
  • 備考:「動画授業の様子」は12とも同じもので、15分の「様子」だけ。上の動画がそれ。

基本は「みんなの日本語」ベースのようですが、それを場面、話題(自己紹介、病院、道順、将来の夢、とオーソドックス)で組み替えて、コミュニケーションよりにした(「みんな」ではできない冒険をここで?)という印象。目次は英語と中国語、韓国語で本編は日本語のみ。会話例があり、続いて教室で教師が使う素材としてのイラストや設問がある。ワークブックが問題集として完成度が高く単独でも使える。執筆は民間の日本語学校、TIJ東京日本語研修所。音声は付属CDで提供。

出版社による解説ページ 初級〈1〉 | 初級〈2〉

出版社のチャンネル配信の開発元(TIJ東京日本語研修所)による授業サンプル動画

サポートサイト †

出版社の書籍紹介ページだけで特設ページ的なものはない。

関連本 †

教師用 📲初級1授業の進め方 | 📲初級2授業の進め方 |

問題集 | 初級〈1〉ドリルと文法 | 初級〈2〉ドリルと文法 |

📲多言語版(語彙リスト)

| 初級語彙リスト英語訳 English | 初級語彙リスト中国語訳 中文 | 初級語彙リストベトナム語訳Tiếng Việt | 初級語彙リスト韓国語訳한국어 |

👉 語彙リストと指導書はkingle版がある。ただし、自社サイト上でも「『語彙リスト』が、紙の書籍と電子書籍の2種類から選べるようになりました。」と書いてあるだけだし、アマゾン上では紙とkindleで相互リンクが貼られていないのでほとんどの人は気がつかない。極秘プロジェクト?

もやもや †

  • 書名が長い。「毎日使えて」「しっかり身につく」「はじめよう」「日本語」「初級」「〈1〉」「メインテキスト」の7つもの要素。落語の「寿限無」のよう。「はじめようっていう教科書がいいよ」と教えられ、検索してもこれが出てきたらこれで正しいのか迷ってしまう。
  • 改定版と書名に入れる意味がよくわからない。次は三訂版?だとしても分からない人は多そう。
  • 授業の様子の動画、画質が90年代。そもそも様子だけの動画は不要。
  • 「大地」と同じく、まったく教科書の説明が無い上に、中身をみる機会もない。
  • 音声、スクリプト、動画など普通のダウンロード素材へのリンクの絵が書籍になっていてわかりにくい。これはスリーエーのサイト全体の問題だが…。

研究 †

NEJ:テーマで学ぶ基礎日本語 †

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NEJ:A New Approach to Elementary Japanese <vol.1>テーマで学ぶ基礎日本語
NEJ:A New Approach to Elementary Japanese <vol.2> テーマで学ぶ基礎日本語

概要 †

  • 初版:2012年
  • 著者:西口光一
  • 課:12課・12課
  • 想定学習時間:1,2合計で192ー240時間
  • 漢字:300
  • レベル:N5~N4(1も2も「日本語能力試験N4レベル」という紹介がある)
  • 翻訳:中国語、ベトナム語版あり
  • 備考:2012年出版。

正式名称は、「NEJ:A New Approach to Elementary Japanese テーマで学ぶ基礎日本語」略称+英語名+日本語名という珍しいもの。中級は「NIJ:A New Approach to EIntermediate Japanese」。

「テーマについて自分の話しができるようになることを目標とした自己表現活動中心の基礎(初級)日本語教科書」という説明がある。

3人の登場人物が各課のテーマを展開してくという設定。文法事項をマスターするのではなく課題をクリアしていくことで基礎的な表現を習得という考え方。教科書のゴールとしては日本語能力試験でいえばN4ぐらいか。大学や日本語学校での利用を想定しているとのこと。ワークシート、音声ファイルは登録不要、無料でサポートサイトからダウンロードできる。出版社に登録してダウンロードするルートと、専用サポートサイトから直接ダウンロードする2つのルートがある?CDなど別メディアでの提供はない様子。

出版社による説明は http://nej.9640.jp/ (動画による説明やサンプルも多め、かなり詳しい説明がある)

中身のサンプルは: 本冊
別冊

サポートサイト †

サポート専用サイト「NEJのひろば」がある。 http://nej.9640.jp/

音声ファイルや補助教材(PDFのシートなど)が無料、登録不要でダウンロードできる。「ブログ」は著者の個人ブログ(Blogger)の記事一覧の引用でこの教材のことは時々出てくる程度(サポートサイトでは、NEJの関連記事だけリストアップするとか、検索結果のリンクを貼るとかしたほうがいいのでは?)

サポートサイトは使った教師の感想動画などがあり教師や関係者向け。学習者向けのコンテンツは無い。Facebookのいいねが2020年6月の時点で14しかついておらず、あまり知られていない模様。

関連本 †

指導参考書

日本語1 ベトナム語版 | 日本語2 ベトナム語版 | 日本語1 中国語版 | 日本語2 中国語版

NEJ:指導参考書

テーマで学ぶ中級日本語もある。「『NIJ』は初中級から中級レベル。」という説明あり。→中級以降の教材で扱う。

もやもや †

  • 書名に英語と日本語と英語の略称の3つが混在しており、人によって呼び方が違うのは致命的。略称は書名に入れなくてもいいのでは。NEJを入れるということは英語名が正式なのだろうか?書名は英語か日本語どちらかにしたほうがいいのでは…。
  • そもそも英語と日本語で「新しいアプローチ」「テーマで学ぶ」と違うのもしっくりこない。
  • サポートサイト、トップでサウンドファイルがあり、メニューのサウンドファイルはトップ下への内部リンク、DL materialには音声ファイルは無いと、設計がいまひとつという印象。メニューの英語と日本語の混在も謎。FAQのリンクは、Win10+Chromeで動作しない。
  • サポサイトで使った印象は語られるが、活用方法の情報は少ない。この種の新しいタイプの教科書は「どう使ったらいいのか?」を説明するのが最優先事項ではないかと思うのだが。。。
  • プライベートレッスンで使いやすいそうな印象だが、学習者向けの説明がサイトにほぼ無い。「レッスンではこれを使うよ、説明はここをみてね」とURLを示すことができないのは辛い。
  • ダウンロードマテリアルの漢字シート、トレーニングシートのクオリティは高いがPDFなので使い勝手が悪い。画像とテキストデータを提供するから好きなように加工してくれという式か、あるいはフォームPDFなら、オンラインで提出課題として使えるのだけれども。。。

研究 †

サポートサイトに著者による解説がたくさんある。

にほんごこれだけ! †

https://amzn.to/3hlXvVK

にほんごこれだけ! 1
にほんごこれだけ! 2

概要 †

  • 初版:2010年
  • 著者:森 篤嗣,岩田 一成,たけなみ ゆうこ,庵 功雄
  • 課:—-
  • 想定学習時間:—-
  • レベル:—-
  • 翻訳:韓中ベトナム英の要点を整理したシートあり。
  • 備考:地域日本語教室向けテキストとうたっており、国内のボランティア教室などで使うことが想定されている。

いわゆる生活者のための日本語という切り口で作られており「やさしい日本語」の推進者の一人である庵功雄氏が監修。「活動を通じて日本人ボランティアもやさしい日本語を身につけることができる」とあり、ボランティア教師が生活の中で使える表現を教えるということが想定されている様子。自治体などで使われることがかなり意識されているという印象。教科書のゴールとしては日本語能力試験でいえばN4ぐらいか。サイトゲームがひとつダウンロード可。短い動画による教科書の使い方サンプル的な動画がいくつか。

出版社による説明
http://cocopb.com/koredake/

中身のサンプル: | 1 | 2 |
👉 3ページのサンプルに×をつける意味はあまり無いのでは。

サポートサイト †

http://cocopb.com/koredake/
に集約されている模様。

しかし、教師向け簡易指導書的な「隠れ文法の使い方 ver1」と、学習者向けの学習シート的な「したじき」はここからダウンロードできる(がトップのメインメニューには無く、見落としやすそう)

関連本 †

特になし。

もやもや †

  • 出版社の書籍紹介ページで(おそらく初期から10年間)ページ数が抜けたまま。「ボランティア向け解説書 刊行予定」となっているが一向に出ない。使い方の説明はFlashで、動いていた時期も不具合が多かったが、動かなくなって数年が経過したまま放置されている。講演活動も2016年を最後に終了。おそらくサイトはそれ以前の早い段階で放置状態。
  • 「やさしい日本語」では50~100時間程度の学習が想定されているが、この教科書との関連は書かれておらず、関係はよくわからないまま。
  • 補助教材や音声ファイルの提供は無し。サンプル動画にあったように現場で教師と向かい合ってやるための教科書ということだろうか。
  • 「これだけ」を終えてもっと勉強したいと思った人は次に何をやればいいのか、あまり書いてなかった。次に選ぶ教材、やるべきことを知るためにも「これだけ」で何を学んだのか(あるいは一般的な教材と比べて何を学んでいないか)に関して補足があってもいいような気がする*5 。
  • この出版社もネット活用の基本的な知識が無さそう。動画は元ファイルがあるだろうから、Youtubeにアップして引用すればいいだけなのに。。。30分もあればできるのに。。。
  • 基金の「いろどり」が音声付き、もろもろサポート付きで無料配布になった以上、これだけ放置されているということは、もう役割を終えつつあるかもしれない。

研究 †

その他の初級教科書1 †

文化初級日本語 †

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80年代から続いている文化外国語専門学校による初級~中級の総合教科書。2018年の時点で、国内告示校での採用校は15校、3.2%。国内シェアでは「まるごと」や「げんき」より高い。英語・韓国語・簡体字・繁体字・ベトナム語・タイ語の語彙訳、教師用指導書もある。文化学園は「楽しく聞こう Ⅰ・Ⅱ」というベストセラーの聴解の教材も出しており、教材開発に定評があるところ。シェアは高くないが、長く使い続けている日本語学校も多い。サポートサイトから、旧版との対照表などがダウンロードできるが、音声ファイルのダウンロードなどはない模様。

文化初級日本語 Ⅰ
文化初級日本語 Ⅱ
文化初級日本語I・II 改訂版 教師用指導例集
文化初級日本語I 練習問題集 改訂版

👉 中級の文化中級日本語 Ⅰと文化中級日本語 Ⅱもある。

学ぼう!日本語 †

https://amzn.to/2YWRPZS

学ぼう! にほんご 初級1 テキスト (日本語能力試験N5/日本語NAT-TEST5級対応)
学ぼう! にほんご 初級2 テキスト (日本語能力試験N4/日本語NAT-TEST4級対応)

  • 出版年:2005年(中級以降は2006年~)
  • 多言語:繁体字、簡体字、韓国語、英語
  • 著者:
  • 出版社:専門教育出版
  • 備考:

「初級から上級まで、「隙間なく、重複なく」をモットーに完全積み上げ方式の全6巻シリーズ。」とのこと。また「日本語版の他に、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、英語など各国語版を海外の日本語出版社と協力をして開発。● 中国:北京大学出版社 ● 台湾:尚昴文化事業国際有限公司● 韓国:進明出版社」とのこと。多言語版は現地で出版されている模様(日本のアマゾンにはないが出版社のサイトでは販売されている模様)

出版社のサイトは以下。(かなり古いシステムでサイト製作を行っている模様)
http://www.aikgroup.co.jp/senmon/catalog/manabou/

*初中級以降は、中級以降の教材で扱います。

初級~上級まであり、国内の日本語学校で、中級以降採用されるケースが多い教科書。国内シェアでは初級は「まるごと」や「げんき」より高く、中級では「みん日」や「できる日本語」より高い。初級の採用は、2018年の告示校では10校、2.1%。NAT-TESTを主催する専門教育出版による教科書。2017年以降の日本語教育政策の改革で、日本語学校のCEFR A2相当の試験として採用された。「この採用が続けば」使う学校も増えるかもしれない。しかしサポートサイトは古く、音声ファイルはCDでしかも別売り。2005年に参入した割にデジタル対応はほぼ無い。

関連本 †

初級2 教師用マニュアル (日本語能力試験N4/日本語NAT-TEST4級対応)
初級1 教師用マニュアル (日本語能力試験N5/日本語NAT-TEST5級対応)

他に「中間・修了テスト(CD-ROM版) 初級1」というものがあり、18000円で、教科書採用の学校からの注文のみとなっている。

もやもや †

  • 国が在留資格や告示校の抹消条件に関連づける日本語の試験の主催者が「試験対策」として教材を作る是非*6 。
  • 関連本が高い。CDがいちいち別売りなのも割高感がある。学校単位で採用されればということかもしれないが、試験の主催者が学校へのセールスをするというのもまたモヤモヤ。
  • サイトが古く、今後のネットでのサポート、デジタル素材の提供、開発に不安。

大学の日本語 初級 ともだち(東京外国語大学) †

https://amzn.to/319sOgF

大学の日本語 初級 ともだち Vol.1
大学の日本語 初級 ともだち Vol.2

  • 出版年:2017
  • 多言語:英語
  • 著者:
  • 出版社:東京外国語大学留学生日本語教育センター (編集)
  • 備考:

大学のサイト
http://www.tufs.ac.jp/common/jlc/kyoten/development/shokyu.html
でサンプル、イラストや語彙リストがダウンロード可能。音声はCD提供(ダウンロード提供はない?)。

東京外国語大学の初級教科書。大学の別科などで使われることを想定している模様。

「「AJ Can-doリスト」に基づいて開発された初級教科書で、主に交換留学生や研究留学生を対象とした本学の「全学日本語プログラム(JLPTUFS)」で使用しています。このプログラムでは、留学生の習熟度やニーズに応じて多様な日本語科目が開講され、本書をはじめ、「AJ Can-doリスト」に対応した教材の開発が進められています。」とのこと。Can-doリストなどは
http://www.tufs.ac.jp/common/jlc/kyoten/development/ajcan-do/
にある。

東京外国語大学では、この初級の次の中級は

日本で学ぶ留学生のための中級日本語教科書 出会い【本冊 テーマ学習・タスク活動編】
日本で学ぶ留学生のための中級日本語教科書 出会い【別冊 文型・表現練習編】
と進み、次に上級の
日本をたどりなおす29の方法 ―国際日本研究入門
と進むことになっているらしい。

初級 日本語 †

https://amzn.to/2Cu8JY8

初級 日本語[新装改訂版]上
初級 日本語[新装改訂版]下

  • 出版年:1990>2010改訂
  • 多言語:英語
  • 著者:
  • 出版社:凡人社
  • 備考:これも東京外国語大学による初級教科書で古くからあるもの(90年)、2010年に改訂されている。

「留学生を対象とした教材で、文型シラバスをベースに、運用力を伸ばす練習、レベルに応じた読解文や聴解問題が盛り込まれています。そのため、文型をきちんと習得しなければならない大学進学をめざす留学生に最適です。 」とのこと。

大学のサイトに紹介ページがあります:http://www.tufs.ac.jp/common/jlc/project/textbook.html

→ 指導書とも言える 直接法で教える日本語もある。

初級日本語 とびら I・II †

  • 出版年:2021年
  • 多言語:英語
  • 著者: 編
  • 出版社:くろしお出版
  • 備考:Ⅰ・Ⅱで完結。各3850円。「上級へのとびら」の初級編。全編カラー。ワークブックと教師用の手引きが発売予定とのこと。すぐ下の立命館の教科書と名前がカブっている。

初級日本語 とびら I / TOBIRA 1: Beginning Japanese

概要

  • Can-doに基づいて会話があり、人物相関図があり、主人公は留学生。日本文化を学ぶのがテーマとなっている。
  • 海外での利用が意識されている?
  • 「デジタル世代のための」ということになっているが、サンプルをみるかぎり、キーボード入力の項目(ひらがな、カタカナ導入後すぐ)があるぐらいで(紹介動画をみるかぎり、サービスのアカウントを取得したり、オンラインショッピングをしたり、SNSを使ったりはなさそう)、特にデジタル要素はなさそう。
  • JLTP準拠(語彙など)とのこと。
  • 「する名詞」などの品詞の名称。
  • 語彙リストにピッチアクセントがある
  • 「上級へのとびら」は英語圏でシェアトップであり、大学を中心に導入するところは多そう。

紹介動画はあるが、スライドが切り替わり、音声があるというもの。

特設ページがある。
https://www.9640.jp/tobirabeginning/

👉 「献本はお取引のあるテキスト仕入れ業者経由を基本といたします」との記述があった。「テキスト仕入れ業者」というものの存在を知りました。

日本語5つのとびら シリーズ †

  • 出版年:2008年
  • 多言語:英語
  • 著者:立命館アジア太平洋大学 編
  • 出版社:凡人社
  • 備考:

「英語話者の留学生を対象に、学術的な日本語を4技能バランスよく学習することができるシリーズです。」とのこと。

大学のサイトにも情報が少なく、やっと探したのが以下。いろんなシートや動画、音声などがダウンロードできる模様。ただ音声ファイルの質は低く、動画の解像度は2008年のまま。かなり使いにくい。クオリティが高い教材を出すけど、その後アップデートできないという大学の教科書の弱点が露呈している印象。アマゾンで検索しても品切れで高値がついていたりして、事実上絶版?

大学の紹介ページ:http://www.apu.ac.jp/academic/page/content0038.html/?c=17

  • 日本語5つのとびら―サバイバル編―
  • 日本語5つのとびら ―初級編 1―
  • 日本語5つのとびら―初級編 2
  • 日本語5つのとびら ―中級編―
  • 日本語5つのとびら―中級編 漢字・語彙練習―
  • 日本語5つのとびら ―中上級編―
  • 日本語5つのとびら ―中上級編 漢字・語彙練習―

論文 日本語5つのとびら
https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA84719528

その他の初級教科書2 †

以下、リンクのみです。

語学留学生のための日本語 †

📲やさしい日本語 初級 †

やさしい日本語 初級Ⅰ

非漢字圏向けというコンセプトのこと。出版社による説明もほとんど無く、改行無しの264文字の説明が、英語中国語ベトナム語に訳されているだけ。中身をみるかぎり媒介語による説明はないが、一人で学習できると説明されている。(2019年に発売されたのに「やさしい日本語」というネーミングは疑問。どう考えてもアチラと混同する人は多いはず)音声ファイルは、要登録。 著者は、森本 智子、高橋 尚子、松本 知恵 となっている。Jリサーチ出版。

つなぐ日本語 †

アマゾンなどの登録書名は「[音声DL] つなぐにほんご 初級1 Tsunagu Nihongo Beginner Level Series vol.1」となっているが、正式名称は「つなぐにほんご」であるらしい(?)。

場面会話からはじまる、というのが個性とのこと。「授業はテキストを開かず、絵カードやプロジェクターを使って行います。」という説明あり。学習項目、学習順などは、オーソドックスで、「できる」という目標があるという構成になっている。絵カード・授業のヒントが無料、登録無しでダウンロードできます。授業のヒントは2020年8月に教師用マニュアルとして発売予定とのこと。日本語養成講座のシェアで半数以上を占めるヒューマンアカデミーが作った教科書なので、普及する可能性はあるかもしれません。出版社による特設サイトに説明、サンプルがあり、音声、絵カード、授業のヒントが登録無しで無料ダウンロードできる。

つなぐにほんご初級Ⅰ
つなぐにほんご初級
つなぐにほんご初級Ⅰ ワークブック
つなぐにほんご初級Ⅱ ワークブック
つなぐにほんご 初級文法解説書 英語版

その他 †

  • 進学する人のための日本語初級:アマゾンで見つからず。
  • Japanese for busy people:英語圏向け教科書。かつてはシェアトップだったが、製作のAJALTのサイトでも短い説明のみで放置状態。音声ファイル配布もない模様(サイトが古く今後のデジタル方面のサポートは期待できない)。改訂もそれほど大幅なものは無い。今は「げんき」の時代か。
  • 新実用日本語:新宿日本語学校で使われている教科書。アマゾンでは買えない模様。

その他の初級教科書3 (ビジネス系) †

教科書の名前は「ビジネス」「仕事」「職場」と言っても、事実上、ホワイトカラー向けとブルーカラー向けはハッキリと区別されている。前者に工事現場は出てこないしほとんどの場合、アマゾンでは買えない。後者にプレゼンや接待の場面は出てこない。登場人物の国籍や肌の色も違う。

学習院大学のサイトで整理されている。
技術研修生向けテキスト

サバイバル系教科書 †

ビジネス系のビザで来て1,2年滞在する人のために、最低限必要なものを整理したもの。50~100時間程度。会話重視。観光客向けの会話の本まで。

新にほんご「あいうえお」 †

新にほんご「あいうえお」

アルクのサイトに説明あり。簡易にほんご教科書。ボランティア教室での利用が前提ということです。ひらがな、かたかな、基本的な単語がいくつか、で終了。

📲Konnichiwa, Nihongo! こんにちは、にほんご! †

Konnichiwa, Nihongo! こんにちは、にほんご!

日本語教師のグループが、これも日本で生活する学習者のために簡単なところからはじめるというようなコンセプトの教材集。基本的に英語だが、ベトナム語版があり、kindle版も出ているのが特徴。また、著者グループのサイト『こんにちは、にほんご」ご利用ガイド:http://ptrjapan.p1.bindsite.jp/tekuteku/guide/pg97.html から、ベトナム語訳、タイ語訳、ポルトガル語訳、 タガログ語訳、スペイン語訳、ポルトガル語訳のファイルや一覧などがダウンロードできる。

📲ベトナム語版

📲Making Out in Japanese †

https://amzn.to/3e3AlRY

Making Out in Japanese
More Making Out in Japanese

日本に滞在する英語圏のノンネイティブの隠れたロングセラーで、ナンパ用日本語会話の手引きです。六本木の書店には必ずおいてありました。これはこれで存在意義がありました。

📲Minimum Japanese †

around,center

webjapanese(このwikiを作ってる出版グループ)が作った英語圏、もしくは英語が読める外国人観光客向けの日本語会話の本です。日本語教育で用いられる文型学習的な方法で、空港、ホテル、観光地、店、レストランなどはもちろん、簡単な会話も楽しめる10の構文(名詞文、形容詞文、動詞文)を学びます。

すべてのフレーズ、単語(500語)、会話文の音声ファイルをCCで配布しています。Quizletでも公開中。観光で来る人、数ヶ月くらい滞在するという人には最も効率よくサバイバル表現を学べる教材だと思います。要領のいい人なら、日本に向かう飛行機の中でざっと読むだけで基本文型は頭に入ると思います。あとは辞書で入れ替える単語を調べるだけでかなりのことが表現できるはずです。 日本に行くよ、来るよ、という人にお勧めしてください。

この種の本は語学教育関係者には軽く見られがちですが、日本語教師が作ればいいものができるはずだと本気で作ってみました。日本語学習のコスパ、「日本語の学習をどこまで簡略化できるか」を考えるのが好きな日本語教師の方も楽しめると思います。

紹介ページはこちら。

Amazon日

その他 †

初級の読解、聴解などは、目的別の教材で扱います。

以下はその他のその他的なものです。

📲Nihongo †

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webjapanese(このwikiを作ってる出版グループ)製作の日本語の本です。英語版と日本語版があります。

著者
中川奈津子 国立国語研究所非常勤研究員(博士:言語学)
寺崎 知之  同志社大学 講師(博士:言語学)

監修
橋本 洋輔  国際教養大学 助教(博士:日本語教育)

言語類型論という、いろんな言語の特徴を比較するジャンルの研究者に「日本語のことをまったく知らない人に、日本語とはどういう言語か?ということを説明する本を書いてください」と頼んで生まれた本。文字や音声の特徴、文の作り方、漢字の役割、日本語のルーツなどなど。最後の章は、この本を読んで「勉強してみろうかな?」と思った人にむけて、編集部が、デジタル時代に日本語の学習方法はどう変わったか、その日本語の勉強のやり方を整理しました。

こんな人に向いています。

  • これから日本語の勉強をはじめるという英語圏の人
  • 日本語の勉強に煮詰まっちゃった人
  • 日本語を勉強する気はないけど、日本語について知りたい人
  • 日本語について英語で説明できるようになりたいという人
  • 日本語教育的な視点ではない日本語の見方に興味がある日本語教育関係者

英語版と日本語版がありますから英語版を学習者にお勧めしたら日本語版も読んでみましょう。

世界各国のアマゾンストアで販売中。サポートサイトでは基本語彙500のリストと音声ファイルをCCで配布中。

日本語版の説明はこちらに。 アマゾンジャパン:電子書籍版 | 印刷版
英語版の説明はこちらに。 アマゾンジャパン:電子書籍版 | 印刷版

👉 語学というとすぐに勉強、教科書を買って、語を覚え、文法を知り…となりますが、その言語について「読む本」があってもいいと思いました。昔、国際交流基金からこの種の読み物入門書的な本は出ていたと記憶しています。

研究 †

出版社 †

書店系

凡人社
:日本語の教材を日本語学校に販売している書店。自社で教材開発も。
にほんご書店そうがく社
:同じく教材を扱う書店

教材の出版社

スリーエーネットワーク
:シェアトップの「みんなの日本語」を出している。元は経産省の関連団体から独立。
アルク
「できる日本語」など日本語関連の教材がある。
アスク
:問題集などを中心に日本語関係の教材を出している。
Japan times
:新聞社の教材部門。一時日本語からは撤退と囁かれたが継続。「げんき」は特設サイトもある。 三修社
:「まるごと」の出版社。国際交流基金との関係が深い模様。
ひつじ書房
:言語学専門の出版社。教師向け、大学向けの日本語教材も。
チャールズ・イー・タトル出版
:老舗の出版社。英語圏向け。
ココ出版
:「にほんごこれだけ」の他専門書など。
Jリサーチ出版
:問題集など。
くろしお出版
:言語学が専門の出版社。テーマで学ぶ基礎日本語など。
光村書店
:公立学校の国語教科書の他に中国語圏のシェアが高い標準日本語を扱っている

その他

専門教育出版
:能試準拠試験(日本語NAT-TEST)を主催。や日本語学校のコンサルティングなどもやっている。
(株)語文研究社
:能試準拠試験(J.TEST実用日本語検定)を主催。対策問題集など。

記事・資料 †

日本語の教科書が目指すもの †

ー2017 筑波大学シンポジウムの質疑と資料ー

事前資料

■ 「みんなの⽇本語」:名須川典⼦⽒(⽇本語センター:インド)

  1. 「みんなの日本語」の教材を使った授業詳細

■ 「Situational Functional Japanese」:加納千恵⼦⽒(筑波⼤学)

  1. SFJ概要2017シンポ用事前資料詳細
  2. 新教科書における文法シラバス−その作成過程と現状について−詳細
  3. 新教材開発の経過報告〜モデル会話・会話ノート・会話ドリルを中心に詳細
  4. 新開発教材におけるタスク作成(1)−初級前期を中心に−詳細
  5. 新開発教材におけるタスク作成(2)−初級後期の小規模なタスクについて詳細
  6. 新開発教材におけるタスク作成(3)−初級後期のトータル・タスク−詳細

■ 「初級⽇本語 げんき」:⼤野裕⽒(⽴命館⼤学)

  1. 『げんき』が目指したもの詳細

■ 「できる⽇本語」:嶋⽥和⼦⽒(アクラス⽇本語教育研究所)

  1. 『できる日本語 』に関する説明詳細
  2. 『できる日本語 初級』シラバス詳細
  3. 『できる日本語 初中級』シラバス詳細
  4. 『できる日本語 中級』シラバス詳細

■ 「NEJ テーマで学ぶ基礎⽇本語」:⻄⼝光⼀⽒(⼤阪⼤学)

  1. ことばのジャンルと第二言語教育のデザイン詳細
  2. コミュニカティブ・アプローチの超克詳細
  3. vol.1とvol.2の目次詳細
  4. 自己表現活動中心の基礎日本語教育の教育企画(教育のマトリクス)詳細

■ 「まるごと ⽇本のことばと⽂化」:⼋⽥直美⽒(国際交流基⾦)

  1. 『まるごと 日本のことばと文化』における海外の日本語教育のための試み詳細
  2. 課題遂行型の学習デザインは、日本語学習をどう変えるか?−「まるごと中級(B1)」の開発と試用から−詳細
  3. 『まるごと 日本の言葉と文化』公式サイト
    1. 『まるごと』の理念と特徴
    2. 紹介用動画
    3. 資料アーカイブ(発表原稿など)

質疑
http://www.intersc.tsukuba.ac.jp/~kyoten/symposium/20170910_shiryo/170901.pdf

その他リンク †

『みんなの日本語』、あるいは文型シラバスは時代遅れなのか? - Togetter
https://togetter.com/li/1096274
文型積み上げ式への批判に対する意見 | Shingo Imai's Idea Notes (今井新悟 blog)
http://shingo-imai.blogspot.com/2014/12/blog-post.html
海外の大学日本語教育で使用されている初級教科書の紹介 – 旅する応用言語学
http://www.nihongo-appliedlinguistics.net/wp/?p=3304
日本語教育で使われる教科書について
http://www.tenri-u.ac.jp/topics/oyaken/q3tncs00001n9qjw-att/GT227HP-ouchi.pdf

論文 †

  • 初級日本語教科書における文法項目の量
  • インタビュー形式の発話における日本語学習者の義務表現使用について--「初級文型の硬直化」の観点から
  • 初級文型の日中対照―「は」と「が」をめぐって
  • 初級シラバス再考 教材分析とコーパスデータを基に
  • 日本語教育初級文法シラバスの起源を追う−日本語の初級教材はなぜこんなに重いのか?
  • 『みんなの日本語I・II』をベースとした音声指導書の開発 : 日々の授業で誰にでもできる音声指導を目指して
  • 時間的制約の中での初級日本語取り組みの報告
  • 日韓の日本語教科書における普通体基調会話の扱い--普通体基調会話の教育方法開発に向けて
  • 日本語教科書における口頭発表指導について:日本語パブリックスピーキングの教授法確立を目指した基礎研究
  • 日本語教科書における「接辞的漢語」
  • 初級日本語教科書と予備教育用物理教科書の使役表現の比較
  • 中国の日本語教科書における「依頼表現」に関する一考察
  • 教科書の中の話し言葉 : 性差を示唆する終助詞の使用をめぐって
  • 初級日本語教科書における会話文の調査と小考 : 配慮表現を中心として
  • 日本語教科書に見られる自称詞・対称詞の使用について
  • 初級日本語教科書における会話文の調査と小考 : 配慮表現を中心として
  • 日本語教科書に見られる自称詞・対称詞の使用について
  • 日本語教科書における複文のテンスの扱い
  • 初級教科書における情報提供に関する日独対照研究
  • 国語教科書と日本語教科書の比較:ジェンダーの視点から
  • 文型指導における「文脈欠如」の問題点--日本語教科書におけるハズダの導入・練習を例に
  • 日本語初級教科書における敬語の扱われかた
  • 初級教科書に現われる「ええ」についての調査報告 : 初級における応答表現指導についての一考察
  • 日本語教科書で扱われる「日本文化」の認識に関する心理学的研究--日本語母語話者と日本語学習者の比較
  • 日本語教科書の外来語 : 同志社大学留学生別科で使用した教科書を例として
  • 日本語初級教科書における働きかけ表現初出
  • 「日本事情」教育における新視点と教材開発(I.教育科学系)
  • 初級・中級教材による日本語教育項目マトリックス : (1)漢字
  • 教科書教材に見るオノマトペ : 特徴の整理とそれを踏まえた読解指導との関連を目指して
  • 日本語教科書での終助詞「よね」の扱いに関する一考察
  • 「が」の導入 : 初級日本語教科書の中に出現する「が」の扱い
  • 日本語教科書におけるコロケーションの取り扱いに関する一考察
  • 日本語教科書の会話ディスコースと明示的(explicit)、暗示的(implicit)な調整行動: 教科書談話から学べること・学べないこと
  • ビジネス日本語教科書とジェンダーの多面的考察
  • 教科書にない日本語能力 (特集 日本語教育が育成する日本語能力とは何か)
  • グローバル化時代の日本語教育と日本語教科書
  • 良い日本語教科書の条件 : 『新概念日語I』出版にあたり
  • 日本語教科書における論文・レポートの文体の指導項目 : 中上級日本語教科書の比較から
  • ビジネス日本語教科書の日韓対照分析
  • 日本語教科書における女性の職業 : 教科書分析と日本語教師の意識調査分析
  • 日本語初級教科書における敬語の扱いについての一考察
  • 初級日本語教科書の文型意識 : イル・アル文型を例として (聖学院大学チャペル完成記念論文集)
  • 海外出版の日本語教科書にみる日本文化
  • 日本語初級教科書におけるハガの提出順序
  • 初級日本語教科書における「する」と「やる」
  • 日本語教科書におけるコミュニケーション機能の扱い方について
  • お母さんなわたしと太郎君なぼく:日本語教科書における男女の表現について
  • 非漢字圏初級学習者の終助詞「よ」「ね」の習得 : 日本語初級教科書の終助詞に関する機能説明・翻訳の分析と学習者の習得の関係
  • <研究論文>初級文型の導入のあり方について : 学習者にとっての教科書の文例
  • 国内外の日本語教育機関における初級日本語教材の実態調査・ニーズ調査と分析結果
  • 日本語教科書における「会話」とは何か : ある「本文会話」批判
  • 場面に応じた「誘い」の言語様式使用の指導のために : 初級・中級教科書の分析からの提言
  • 日本語教授法における初級教科書分析 : 文法について(III いろいろな場面におけるJCSの可能性)
  • ローマ字の可能性--日本語教科書調査から
  • 日本語学習用教科書の副詞語彙
  • コミュニカティブ言語教育の時代における日本語教科書の妥当性(教育政策研究:哲学,比較,開発)
  • 講演録 中国における日本語教科書作成--歩み・現状・課題
  • 中国のビジネス日本語教材における待遇表現の扱われ方 : 教科書の分類と教科書中の「待遇表現」の扱われ方
  • 初級日本語学習者の「聞き返し」のストラテジー : 初級日本語教科書との関連から
  • 初・中級レベルの日本語教育で教える程度副詞 : とても・大変・非常に・すごく・ひどく・本当に
  • 語学教科書とジェンダー・バイアス的な表現について
  • 日本語教科書の教師用指導書のあり方
  • 初級教材としての「日本事情」の教科書開発
  • 初級教科書から見た日本語教育の変遷
  • 日本語教育初級教科書提示語彙の数量的考察
  • 初級教科書の「ナラ表現」
  • タスク型初級日本語教材の開発とその特徴―学習者発話の形態素解析結果から―
  • 言語と社会 : 初級日本語教科書の中の場面分析
  • <論文>指導項目の初出位置からみた日本語初級教科書
  • 留学生は日本語学習に潜むステレオタイプをどう捉えているか
  • 初級教科書の対話に埋め込まれた社会規範-社会文化行動に注目して-

時間的制約の中での初級日本語取り組みの報告
https://ci.nii.ac.jp/naid/120006357658

初級日本語教科書における「する」と「やる」
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005514880

遠隔授業を阻む著作権の問題をクリアにする「授業目的公衆送信補償金制度」とは?
https://hon.jp/news/1.0/0/29231

授業のための著作物の公衆送信について | 大学教員のためのICT活用ヒント集
http://fd.code.ouj.ac.jp/tips/qanda/q102.html

デジタル・シチズンシップと著作権教育 「改正35条で変わる教育現場」|教育家庭新聞社
https://www.kknews.co.jp/post_ict/20191104_3a

👉 オンライン授業では、2020年に出た議論や動画の種類によるライセンスの考え方の違いなどを整理しています。

みんなの日本語関連 †

□ 学習負担の低い正規日本語コース実施の報告「みんなの日本語初級I」を使った目標志向のコース設計の試み
https://ci.nii.ac.jp/naid/110007617722
□ ガ行音の習得 : スピーチ発表の分析から
https://ci.nii.ac.jp/naid/110000094679
□ カザフスタンにおける日本語初級カリキュラム -日本人材開発センターの新しい試み
https://ci.nii.ac.jp/naid/110006278544
□ 『みんなの日本語I・II』をベースとした音声教材の開発:―総合的クラスにおける音声指導の試み―
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009616274
□ 初級教材『みんなの日本語』における聞き返しについて
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005679573
□ 音声教育のコースシラバスとカリキュラムデザイン
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009496809
□ パワーポイントによる漢字導入教材の開発ーイメージと漢字のレイヤー
https://ci.nii.ac.jp/naid/110006275641
□ 『みんなの日本語I・II』をベースとした音声指導書の開発:―日々の授業で誰にでもできる音声指導を目指して―
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009624454
□ 初級日本語教科書における「する」と「やる」
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005514880
□ 『できる日本語』を用いた大学集中日本語教育の実践:―『みんなの日本語』と比較して―
https://ci.nii.ac.jp/naid/130005252951
□ 「東京に行く」と「東京へ行く」
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005603804
□ 日々の授業で行えるコミュニケーションのための音声指導:― 『みんなの日本語I・II』の会話部分の補助教材―
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009657463
□ 音声の問題と規則の問題 : 初級教科書の語彙頻度分析に基づく特殊モーラの導入時期に関する1考察
https://ci.nii.ac.jp/naid/110004671982
□ 文章中の語彙の初出課を判定するシステム
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009919171
□ 日本語教育初級文法シラバスの起源を追う : 日本語の初級教材はなぜこんなに重いのか?
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005689730
□「使える日本語」を教えるための「場面・機能・文型シラバス」の重要性ー2019年度のフランス領マルティニークからの外国人企業研修生に対する日本語指導をもとに
https://kufs.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_view_main_item_detail&item_id=366&item_no=1&page_id=38&block_id=50

「みんなの日本語」の論文検索結果

旧版の「日本語の基礎」での論文検索結果

個別の教科書に関するもの †

『げんき』が目指したもの
https://www.intersc.tsukuba.ac.jp/~kyoten/symposium/20170910_shiryo/03ohno01.pdf

非漢字圏学習者の負担を軽減する漢字指導の試み(「大地」)
https://ci.nii.ac.jp/naid/120006606660

φ(.. ) †

👉 Wikiにお寄せいただいた情報を転載します。


書籍関連ページのNavigation : 日本語教育の関係者だけではなく地域の日本語教室や企業などで教材を選ぶ人の参考になるように、できるだけわかりやすく書きました。初級の教科書中級以降の教材 は総合教科書を中心にまとめました。「総合教科書」とは、一応、読み書き話し聴く、ということが偏りがないよう配慮してある教科書のことです。読解、聴解、試験対策など個別のものは、レベルに関わらず目的別の教材に整理しています。教師向けの本は教師の勉強のための本です。一般的なことばに関する本や言語学方面の研究書などはことばに関する本にあり、自治体などが作り配布している教材は、主に児童などを想定して作られたネットで配布している教材へのリンクです。 デジタル素材系サイトには、日本語学習で使えそうなフリーやCCの素材を整理しています。日本語の教材の概要、マーケットシェアや電子書籍事情など記事的なものは日本語の教材事情にあります。


日本語教師 Wikiはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンス、運営者はwebjapanese.comです。


*1 スリーエーも凡人社も経産省系の組織が民営化されたような形で独立したもの
*2 ストリーミングというのは、サーバー上に音声ファイルがあって、アクセスすれば音が聞けるというもの。ファイルそのものを自分のパソコンなどにダウンロードすることはできない。
*3 かつて音声ファイル配布場所であった要登録のサポートサイトは現在は脱毛情報サイトになっている。
*4 実質的にリスクが低いかどうかは微妙
*5 これは「これだけ」に限らないサバイバル系の教科書全般に言えることですが
*6 国際交流基金は独法だが、出しているのは試験とは関連付けされない教科書と過去問の問題集までとある種の線引きはある。

Source: https://webjapanese.com/dokuhon/index.php?%E5%88%9D%E7%B4%9A%E3%81%AE%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8

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